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オッペンハイマーの遊のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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結論ありきで過酷な追及を受けるオッペンハイマーがだんだんジャンヌダルクに見えてくる、ノーランによる"裁かるるオッピー"?と思いつつ GIFTを授かった人間の背負う業、というテーマはもろ『風立ちぬ』だなと
原爆というタームを使ってギリギリのラインで不愉快にならないエンタメを完成させるバランス感覚、スピルバーグとスパイク・リーの中間

でもじゃあこの映画を観て「おもしろかった、充実した3時間を過ごせた」「考えさせられた(気がする)」以上の効用が得られるのか?やっぱりそれがエンタメの限界なのかとも観終わってしばらくは思ってたけど、
大ヒットして作品賞も獲って、ここまできたらこの映画を観てようが観てまいが(少なくとも映画文化に触れる人たちの間では)「原爆をつくった人はオッペンハイマー」という事実が常識になった、というのは、世界規模で見たら小さいんだけども確実な"一歩"になってて、それってめちゃくちゃすごいことなのでは、と前向きな気持ちで今はいます
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