映画体験としてのレベルの高さは唯一無二。
終盤でオッペンハイマーへ妻が言い放つ、「聴聞会で避難されれば世間が許すとでも?」という言葉の重みとやるせなさよ。
オッペンハイマーはこの映画の中で永遠に地獄をループする。余りにも救いがなく、それでも彼は歴史に名を残す偉大な天才。
どうせノーランでしょ?というある意味悪い前評判をこの作品は完全に払拭していると思う。
数奇な人生と思いきや、本当に数奇なのは彼らが生きていたリアルな時代で、戦争で、"後"の世界を生きる我々はこの映画を観てまた後世に紡ぐ言葉を探すべきだと。