原爆の父に迫る作品。
自身の膨大な時間や労力をかけた研究と愛した学問が人殺しに使われるオッペンハイマーの気持ちが痛いほど分かる作品だった。
ドキュメンタリー映画なので起承転結があまり無く、3時間殆ど一定のリズムで地味に物語が進んでいく。様々な賞を受賞しているが映画作品として評価されたと言うより、扱っている題材に対して与えられた賞なのだなと感じた。
難しいことは100も承知だがこの尺で原爆という題材を扱うならオッペンハイマーのドキュメンタリーだけではなく原爆の被害そのものについても触れる内容であって欲しかったとも思う。
色々思う所はあったが作品の存在自体に原爆を風化させないという意義があるのでやはりいい作品なのだと思う。