社会のダストダス

ノースマン 導かれし復讐者の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

5.0
ヴァルハラァァァ!ウオオオォォォッ!!!グァァァァーッ!!!(白目を剥きながら)

むう、つい興奮してしまったわ、食事に入っていた変なキノコ🍄のせいであろうか。

我、この映画大好きなり。日本で1月20日前後に公開される作品は例年当たりが多い印象だが、本作もその例にもれず見事な傑作よ。監督は『ウィッチ』のロバート・エガース、『ライトハウス』はいまだ未見であるが、カラスが不吉に飛び回る映画が好きすぎる癖強の監督の印象であるな。多分『ライトハウス』にもカラスがたくさん出てくるのだと思われる。



聞け!オーディンよ、ヴァルハラを運命づけられし王子の物語を!

9世紀、スカンジナビア地域のとある島国。若き王子アムレートは戦場から戻った大鴉王こと父オーヴァンディル(イーサン・ホーク)と宮廷道化師ヘイミル(ウィレム・デフォー)の立ち合いのもとに成人の儀を執り行う。しかし、その直後オーヴァンディル王は弟であるフィヨルニル(クレス・バング)の謀にかかり崩御される、邪なる野心を隠した尊大で卑劣な男よ!フィヨルニルに担がれ叫ぶ王妃(ニコール・キッドマン)の姿を尻目にアムレートは国を脱出する。

父上の敵を討つ…母上を救い出す…フィヨルニルを殺す…

そして数年後(主役は30歳くらい年取ったが)、ヴァイキングの戦士として各地を略奪する冷酷な野獣と化したアムレート(アレクサンダー・スカルスガルド)はビヨンウルフと呼ばれるようになっていた。かつての誓いを、己の運命と宿命を忘れ人々の涙を貪る存在となっていた野獣に預言者(ビョーク)は伝える。

大鴉王を思い出せ、雌狐を追え、向かうがいい!

フィヨルニルの農場に売られる奴隷たちの中に変装して潜り込んだアムレートは、脱出を目論む白樺の森のオルガ(アニャ様)と協力して、父を弑した男に悪夢を見せる計画を立てるのだ。首を洗って待っているがいいフィヨルニルよ、奴の苦悩を愉しみ、いずれヘルの門に埋めてやろう。くくく、その日が来るまではオルガとのドキドキ♡愛の農場生活に興じるとしようぞ。



主演はアレクサンダー・スカルスガルド、本作では製作も兼任。共演にニコール・キッドマン、イーサンホーク、アニャ・テイラー=ジョイ、ビョーク、ウィレム・デフォーなど、豪華であると同時に顔の濃い面々よ。『ウィッチ』でブレイクしたアニャ様は“魔女”役での凱旋と考えると胸が熱くなるな。本作の敵役であるクレス・バングは聞くのも観るのも初めての俳優だったが、名前の売れたベテラン勢に劣らぬ名演であったぞ。

ロバート・エガース監督は、ビッグバジェットのアクション映画となっても、神秘的な世界観、常人には理解しがたい悪趣味さは損なわれることがない。アート性とエンタメ性、ファンタジーとリアリズムの両方を兼ねた怪作にして快作であるな。本作の主役アムレートとはシェイクスピアの『ハムレット』の元となった人物であるそうだが小難しさは無く、そのハムスター🐹を知らない我にも大変分かり易いストーリーであったぞ。

ビヨンウルフことアムレートを演じるはアレクサンダー・スカルスガルドよ。滲み出る野性味、地獄の中で研ぎ澄まされし彫刻の如き見事な腹筋神社は、もはや筋肉の着ぐるみなのではないかと見まがうほどである。敵の喉笛に喰らいつくそのさまは野獣の如き猛々しさよ。
🐻ガルルルッ…ウオォォォン!!!フーッフーッ!🐺(雄叫び)
むう、つい興奮してしまったわ。血沸き肉躍るとはまさにこのことよ。

アムレートに協力する魔女オルガを演じるは銀幕のクイーン、我らがアニャ様よ。夜のとばりが降りるなか、月明かりに照らされるその御姿は、幻想的にしてこの世のものとは思えぬ、何という官能的な輝きよ。奴隷のぼろを纏っていても美のオーラがだだ漏れであるぞ。
😻みぁーお!きゃん!きゃん!くぅーん…ごろごろ🐶(求愛行動)
むう、つい興奮してしまったわ。もはやその美しさは神話の域にまで達しておるな。

劇中でひときわ異彩を放つシーンとして印象的だったのがクナットレという球技(?)のシーンであるぞ、貴族の間で行われていた奴隷を使った娯楽と考えられるな。急にハリポタやトワイライトみたいに変なスポーツが始まったと思ったが、その様相はスリザリンVSスリザリン。バーにボールを当てたら得点というルールは完全にオマケらしく、先に敵チームの脳天を全員カチ割ることでも勝敗が決する血生臭いスポーツである、これが転じて現代の野球になったのであろう。おそらくギャグシーンである。

それほど出番がないにもかかわらず強烈な画力を放っているのがウィレム・デフォーが演じる宮廷道化師のヘイミルであるな。成人の儀での、悪魔的な顔面と声から醸し出される本物感は他の追随を許さぬ変態さを醸し出しておった、前後左右の席に人が座っていなかったら我も儀式に参加したかったぞ。そしてこの者はきっと誰の顔を剝製にしたら凄い絵面になるだろうかという基準で選ばれた気がする。魔導士のおっさんが全身ガクブル震わせながらデフォーの首で交霊術を行うシーンが好きすぎるぞ。

それにしても皆の者のレビューをざっと見回ったところの、アニャ様目当ての者の何と多い事か。まさに美の化身、心を砕く魔女とはよく言ったものよ、スクリーンの前にも貴女に心💘を砕かれヴァルハラへ昇天することを望む卑しい奴隷がおりますぞ😍!神秘的、象徴的なシーンが多い本作において存在が視覚効果なのではないかというくらいの、人間を超越した神々しき美しさを放っておられる。

筋肉、画力、劇伴、アニャ様。ひとつの独立した映画として隙の無い傑作よ。復讐譚という分かり易い一本のストーリーの中に北欧神話の親切な挿入、当時のヴァイキングの実態の考察などが織り込まれ、芸術と娯楽、正義と復讐、現実と神話をボーダレスに描き切った手腕の見事さよ!

ウオオオォォォ😤!!!ヴァルハラァァァ😇!!!アニャたまぁ〜🤤🍑!!!あっはっはぁ~🤪!!!だいっしゅきぃ〜😍💥💫🍄🍄🍄