主人公のアムレート王子はハムレットのモデルとなった人物。
よってストーリーも序盤はハムレットと似ている。
しかし、中盤以降は徐々に別方向へスライドしていき、最終的に全く違った展開を果たす。
王道でありながら予想がつかず、野蛮でありながら人道主義的でもある。
様々な物を内包した傑作。
特に素晴らしいのはヴァイキングの自力救済が前提の世界観の描写。
ホッブズ以前のヨーロッパには法の支配というものはない。
親が殺されたら殺した奴を殺して復讐を果たさなければならない。
そうしなければ殺人者が野放しになって社会が崩壊してしまうからだ。
復讐が社会通念として存在する野蛮さを無言で分からせる映像は必見。
期待して観たら期待以上に面白かった。
