ツクヨミ

とら男のツクヨミのレビュー・感想・評価

とら男(2021年製作の映画)
1.3
この捜査に果たして何の意味があったのだろうか、30年越しの殺人事件再捜査録。
1992年金沢で起きた女性スイミングコーチ殺人事件。30年後の現代で元刑事のとら男は再捜査を開始する…
実際の事件を再捜査するという最早新しい再捜査事件録。地元で起きた事件話ということで地元のミニシアターで珍しく一ヶ月も上映していた本作、いざ鑑賞して見ると動機から結果まで納得がいかない消化不良な印象を受けた。
まず今作は金沢で実際に起きた"金沢女性スイミングコーチ殺人事件"をベースに、30年後の金沢で個人的な再捜査が開始されるという話になっている。メンバーとして元捜査班の刑事とら男はまだいい、そこに東京からメタセコイアを卒論のため調べにきた女子大生がよくわからないままとら男をけしかけるというオープニングからなんだが腑に落ちない。卒論のためとは言え、殺人事件の再捜査をデリカシー無くやっていく姿に若干苛立ちを覚えるし、そこにあまり動かず捜査のイロハを教えるだけみたいな気力無さそうなとら男の佇まいもマイナス。またなかなかに進展せず、結局何がわかったかのかもわからないラストもよくわからない。まあ時効になっていて解決してもあまり意味が無いのはわかるが、劇映画なりのちょっとした解決が欲しいところか。
また実際の捜査刑事だった西村とら男さんの素人っぷり溢れるセリフや、ほぼインタビューばかりの捜査から変なドキュメンタリー感がいろんな意味で新しい。カメラワークや編集がしっかり劇映画なのに会話はドキュメンタリーっぽいのはある意味新感覚。そこは評価できるかも。
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