ピーター・ディンクレイジのピーター・ディンクレイジによるピーター・ディンクレイジのためのシラノ。
原作の鼻が大きいという設定を小人症に変えたことは大胆なアレンジだと思うけど、ピーター・ディンクレイジの演じるシラノがめちゃくちゃ似合ってた。
軽快に皮肉を飛ばす様も、思いを押し殺してハの字眉毛で悲しそうな顔をするのも、それぞれキャラクターにあってて素晴らしい。
小さいから玉に当たらないっていう冗談なんかもうまく入れ込まれてる。
後半のロクサーヌに思いが募る様子は本当に見ていて胸が痛かったね。
若干の唐突感はあるけどミュージカル的な群舞、ファンタジックな演出も綺麗だった。
別バージョンのミュージカルを見たことあるけどそちらは二時間半くらいあるんだけど、こちらは2時間弱なのでサクサク進みテンポも良い。
難点を言うと、曲はいいものが多かったとおもうけど、これぞ!というキラーソングだと思えるほどインパクトのある曲は見つけられなかったのが残念。
あとピーター・ディンクレイジのシラノは最高なんですが、ミュージカル映画という観点で見ちゃうと他の登場人物に比べてちょっと歌は弱かったかな…下手では全然ないんですが。
あとクリスチャンがいいとこ無しで可哀想なので内面の葛藤とかシラノとの絆とかもう少し丁寧に描写してくれてたらよかったかな。
まあ何はともあれなかなか満足できる映画でした。
ところで直接本編とは関係ないんだけど、ピーター・ディンクレイジというかゲースロのティリオンの成功あってこそ企画された映画ってな気はするので、やはりゲースロは偉大だったなぁ、と改めて思いました