「俺が何か言ったなら謝る 心の底から」
「何も言ってないし何もやってない
ただお前が嫌いになった」
「昨日は好きだったのに？」
「どうかな」
「...好かれてるかと」
「人生の残りの時間を無駄にしたくない
残りの時間は音楽や思考に使いたいんだ
お前には悪いがもう無駄話には付き合えん」
「突然友達を辞めるなんて！ なぜ！？」
「奴は退屈だからだ」
「この島で退屈以外に何を求めるっていうの？」
「静けさだ
あんたになら分かるだろう」
「元の自分を忘れたか？」
「元の俺か？」
「優しかった！」
「優しさは永遠には続かない
永遠に残るものを教えてやろうか？」
「まさか音楽なんて言うなよ」
「音楽だ！
音楽も詩も絵画もずっと残る」
「優しさだって残る！
父も母も優しかった 妹も優しい
俺は妹が優しいことを忘れない」
「他に誰がお前の妹が優しいことを覚えてる？
５０年後にはみんな忘れる」
「...違っていたのか
君は優しいのかと思っていたのに」
「私には本しかない
兄さん以外には」
「お前の指を食べてロバが死んだ
だから手合いはしない
これが始まりだ
どちらかの墓まで続く」
「ロバを殺してしまった
故意じゃないが
罪悪感を感じてる」
「神がロバの生死を気にすると？」
『お前の気持ちは嬉しいが俺の人生は島にある
それにジェニーがこちらを見つめて
"行かないで 寂しい"と鼻を擦り付けてくる
邪魔だよジェニー』
「最近銃声を聞かないが内戦は終わりか？」
「どうせすぐ始まる」
「終わらないものもある
それは悪くないことだ」
