10代のジャズメン3人のかけがえのない友情に心揺さぶられた。
個性的な3人の姿とジャズ演奏がセッションし圧倒的な描写で迫ってくる。
アニメならではの、画面からはみ出しそうなくらいの臨場感と効果的演奏シーンは音響含め劇場でないと体験できない。
劇場必見の傑作。
原作漫画未見、ジャズもかじった程度の知識で心配だったが全くの杞憂だった。
映画は若きジャズメンのサクセス・ストーリーの姿をしているが、映画の焦点は全くそこにはなく3人の友情に熱い視線を送り続ける。
そして自分の感動体験から、今度は自分が誰かの心にありったけの熱を送ろうとする姿を音楽のみならず表現者の普遍的な情熱として描いていて熱い。
彼らをいろいろなかたちで応援する人たちも丁寧に描かれていて、一つひとつのエピソードがやさしくその関係性が開花するラストは熱くしかも温かい。
漫画と違い音楽がちゃんとつくアニメ映像なので、音楽のクオリティへの配慮はいかばかりだったか作り手の苦労に思いをはせずにはいられなかった。
が、アニメという表現方法でなければとてもできなかった演奏描写の迫力は出色。
実写ではなくアニメという選択をしたことに拍手。
「ジャズプレイヤーは常にセッションする仲間を変えていく」とクールに言いながらも照れ笑いをしている3人の姿が想像できるような展開に、こちらは泣くしかない。