へぷた

BLUE GIANTのへぷたのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
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何周も読んで毎回ボロ泣きするくらい好きな作品が映画化する、彼らの音が聴ける!となってすごく楽しみにしてた。
いざ見てみると、声の違和感もなく本当にあの時呼んだ3人が目の前で動いて、演奏してた。ストーリーも原作とは違うものの、"見たかった"結末で感動した。ただ、その一方で"見れてしまった"ガッカリ感もあった。
でも、そんなストーリーの僅かなガッカリ感なんて全く気にならなくなるほど、CGのガッカリ感が凄まじかった。
まるでPS2のゲームのような20年前のゲームのような低クオリティのCGがよりにも寄って、「ブルージャイアント」の"演奏シーン"で使われているのがどうにも我慢ならない。
映画を作るプロたちがこの質の低さに気づかないわけはなく、おそらく予算や時間的な問題があったのだと思う。
だが、そういった点を考慮してもあんまりだった。
今作のCGは主人公、大のストイックさやジャズに対する真摯さ、自信が生み出すものに対する責任感、使命感など「ブルージャイアント」の象徴、信念を裏切っている。
CGの質の低さから来る違和感などは問題じゃない。こんな劣悪な質のものを"作り手"として無責任に世に出すスタンスが大やファンへの裏切りでしかない。
原作のお二人がしっかり製作に携わっているため、おふたりがGOサインを出したのだからと納得しようとしたが、作品のファンとしてどうしても受け入れられなかった。

映画を機に「ブルージャイアント」を見た人は、どれだけ映画が気に入らなくても原作を読んで欲しい。絶対に読んで欲しい。「ブルージャイアント」がくれる感動はこんなものじゃない。
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