じゅり

BLUE GIANTのじゅりのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.1
楽器を演奏している時の、ゾーンというか、もう楽器は私の体の一部で息を吸って吐くように思いのまま操作できる!という恍惚感とか優越感の表現の仕方が良くて、アニメーションだからこそできる演出がとても綺麗でした。でも、2時間ずっとありがちな「青春」って感じで胸焼けした。夢に向かって進んでいくのって、もっと本当は残酷な現実と向き合わないと実現出来なくないか、と感じてしまった。中学校3年間吹奏楽で府大会を仲間とめざして、本物の青春や演奏の感動を味わった私にとっては、そんなうまいこといきまへんでって感じてしまった。もっともっと、3人ひとりひとりの人間味や生き様を知りたかった。大なんか、ずーっと元気印の夢人間で、ジャズ奏者っぽくないというか、なんというか、、腑に落ちないシーンが多かった。ジャズなんか特にそうだと思うけど、演奏って生物だからアニメーションで伝わるのには限界があると感じた。すっごく演出が素敵でよかったんやけど、やっぱり実際に演奏している人を目の当たりにした時の感動には勝らない。動けなくなって脳内が音楽だけに差配される感覚は、やっぱり本物にしかない。映画だから全然それは仕方ないけど。ララランドのセブがミアにジャズってこんなんやねんでって説明してるシーンの方が、ジャズってすげえわ!という感動の瞬間最大風速でかかったかな。演奏も音も、すごく綺麗だったけど、これを録音している所を見た方が感動しそうだなあと思ってしまった。なんかブツブツ言ってしまった。ごめんなさい。
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