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BLUE GIANTのpekoのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.7
温度が高すぎて、赤を通り越して青く輝く。

原作未読で鑑賞。元々漫画があるのは知っていたし劇場版が公開されているのも知っていて、絶対好きになってしまう、と思ってハマるのが怖くて逆に触れられなかった作品でした。
勝手にハードル爆上げしてしまった感は否めない。
でも本当に色んなことを思い出せる良い物語だった。
バカがつく程真っすぐすぎる大は主人公としては素晴らしいんだろうが
私にはもう胸焼けしちゃうんだ。
私の心の情熱はもう赤を通り越える事はないんだなと痛感した。

何が恐ろしいかって、そんな気持ちに寄り添ってくれるのが
紛れもなく、ジャズなんです。
雨の日に聞きたくなるジャズも、楽しくて踊り出したくなるジャズも、激しくて燃え上がるようなジャズも、ずーーっと寄り添うように心に生きているのがジャズなんです。
たった数年だけど、そのたった数年サックスを吹いていた時間は私の一生の宝物になっているので、この映画に感じたのは共感でした。

私もリードで口を切って血を流すほど練習した。
何度も音楽で生きていきたいと夢を見た。
サックスは音を出すのは簡単だけど、理想の音を出すのは難しいとか。
本番という数分のために膨大な時間を費やしたりとか。
心がちくちくした、わかりすぎて痛くなる。
あの時はまだ私の心も青く輝いていたのかな。

私はやっぱりジャズが大好きだなと思える。そんな映画でした。
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