ルッコラ

BLUE GIANTのルッコラのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.5


いやーーー面白かった。
正直話題になっていてみんな面白いって言っていたから斜に構えてみたんだけど、その補正を超えてなお面白かった。


CG部分の質の低さはちょっと引くし、ご都合主義すぎる展開もある、当然気になる点はそれなりに見つかるんだけど、それでもおもしろい。
これをつまらないという人もいると思うけど、そういう人が異端で客観視できない性格が悪いだけなんだなと、議論の余地なく切り捨てられる。



やっぱり音楽の力が強い。
自分は天使にラブソングをを思い出しながら見ていたけど、音楽の良さで作品全体を引っ張っていく。



主人公の悟空のような力技がすごい。
ほんと頭おかしい。
共感とかできないレベルで脳筋。
そして主人公なのに葛藤も挫折も描かれずに躓くことなくパワープレーで突き進む。
ある種その災厄のような主人公に振り回される2人ともいえる。


ピアノが事故る場面も、さすがに漫画とはいえそれは可哀想すぎてみていて辛いと目を背けたくなったんだけど、この作品はそれが正しくて。

最初の会話であった「全てを踏み台にして進んでいく、それがJAZZ」というセリフが伏線になっていて。
ドラムもピアノも傍からみたら被害者じゃないかとも思えるんだけど、それでいい。



あとは関係者が伝説的なプレイヤーとなった主人公を振り返る、という構成を考えると。
伝説的なプレイヤーってそういう嘘でもホントともつかないような脚色されたエピソードに彩られているわけで。悪魔と契約したクロスロードとか代表的だけど。
ひとつメタな視点からみて「そりゃありえないよ」というエピソードもありなのかなと。
だから別に嘘でもいいんだと思う。
ルッコラ

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