中川龍太郎監督の最新作ということで楽しみにしていました。そして、中川龍太郎作品でした。百合作品とは何かと聞かれたら、この作品をあげます。圧倒的に美しい浜辺美波さんは映画の中でも絵的な存在で、その神秘的で完璧なイメージをヒロインが交流の中で少しずつ崩していき、自分と対等な人に落とし込んだところで終わる。それによって、視聴者も女神的な存在ではなく、悩み迷う人だったことに気づく演出になっているのもさすがでした。いちカットいちカットが絵になるのは中川監督らしい魅力ですが、構成にちょっとダレを感じ、はじめて中川作品を見た時の強烈な印象を越えることがなかったので評価はちょっと低めです。しかし、この残念さは、どこをどうすればよかったのかはわからないくらいの感覚的な差です。
