18世紀フランス、革命前夜の不穏な気配漂う中で、何も知らない貴族たちはのんきに美食を堪能する。創作的な料理人マンスロンは、料理でやんちゃしたことから宮廷料理人の地位を追われ、田舎に戻って旅籠で頑張る。そんなお話。
かなり好き。予告からはコメディ調の印象を受けたが、政治情勢もあり結構シリアスな雰囲気が漂う。主人公マンスロンのレストラン構想も、なかなか順風満帆の滑り出しとはいかず、数々のトラブルに見舞われる。そこが良い。
近世ヨーロッパのロケーションと画面の切り取りがとにかく美しい。時折挟まる静物画風のカットといい、静かな美しさに満ちた作品。
物語も単なる追放からの見返しモノに収まらない波乱万丈感があり、最後まで飽きさせずしっかり味わわせてくれる傑作だった。