すー

ラーゲリより愛を込めてのすーのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
5.0
涙がスー---と流れました。
土砂降りでもない、悲惨な歴史を知りなす術がない、人間の生きる希望は強い、そんなことを考えさせられた映画です。

何もしていないのに、終戦後ソ連の収容所に連れていかれた日本人がどんな環境でどんな風に過ごし、何を思い時を重ねたか、それが11年に渡った人もいる。想像なんて簡単にできやしないけれど、この映画のおかげで常軌を逸した過酷さであることだけはわかる。この歴史のことはもっと早くに深く触れておきたかった。


そして、どんな状況下でも、些細な希望を探し作りだし、生きる。野球や将棋、一瞬の笑いは明日への糧になる。大切な人がいること、それは未来へ生き抜く力になる。
そういうことを思いました。

いつだって笑い顔のニノ扮する山本さんを見て、やはり「笑い」は最強と確信しました。

素晴らしい実話です。
暴力や人間の弱さ、仲間や犬や記憶のこと、そういったストーリー性も感動ものでしたが、この映画が伝えてくれた「希望」に関する考え方が、すごく私の心を動かしました。今後生きていく上で、何があるかわからない人生、大切にしたいと思う次第であります。


新宿住友ビル33F 平和記念展示資料館では映画に関する強制抑留の資料がたくさん展示されています。映画観る前に行ったのですが、それもありこの映画が現実味を帯びました。この映画を気に入った方にはおすすめです。
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