このレビューはネタバレを含みます
実話を基にした、戦後でロシアの収容所で何年間も生活を送った戦争捕虜たちのお話。
もちろん戦後に長らく日本に戻れなかった戦争捕虜の存在は知っていたけれど、あまりにも過酷すぎるその日々は見ていて辛かった。
マイナス40度のなか行われる作業、少しでもロシア側に背くと入れられる南京虫だらけの営倉、、今の世界状況だと、決して過去のこととだけ捉えることはできない、起こって欲しくはないけれど繰り返されてしまうこの悲しさに胸が痛かった。
ニノが演じる主人公の山本幡男の希望を持って生きる姿は、そんな捕虜生活のなかで多くの人の心を動かす。よりによってそんな彼が病魔に侵されるのは、あまりにも神様が意地悪すぎると感じた。彼がこの世を去って、2022年になっても、これからも、その生き様が多くの人の心に残っていく様子を見ていると自分自身の生き方について考えされられた。
記憶は他の誰にも奪われないからと仲間たちが必死に覚えた遺書をモジミ達に届けるところは涙なしでは見られなかった。
母親を亡くした松田が山本の母宛の遺書を、
妻に再会することが叶わなかった相澤がモジミ宛の遺書を、そして字が読めなかったしんちゃんが子供達への遺書をっていうのもまた涙を誘った🥲
クロの存在も実話に基づいていると知りびっくり。
2022年54本目
