ぱお

ラーゲリより愛を込めてのぱおのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
-
Mrs. GREEN APPLEが好きで、『Soranji』を聴いてから是非とも観たいと思った映画。
映画を観る前から涙が出てくるくらい良い歌なのに、映画を観てから聴いたら「そういう意味だったのか…」と思って涙が溢れてきた。
役者さんたちの演技も素晴らしくて本当に感動した。

で、レビューを終わらせたくない。
戦争映画って、美しく終わらせがちだと思う。
相沢さんの「俺は『殺れ』と言われたから殺った」と言う言葉が頭のなかにこびりついた。
そう、誰も悪くない。
なのに戦犯だと、まるで家畜のように過酷な労働をさせられた。
「自分はお国のために役に立てる」と思って(思わされて)戦争を続けた。
なのに、国にも帰してもらえず家族にも会えなかった。そしてシベリアという見知らぬ地に多くの命が埋められていった。
日本人だけではない。日本人によって、搾取され、人生を奪われていった外国人もたくさんいるはずだ。
それなのに国は「我が国のために戦ってくれて『ありがとう』」と言い続けるのか。
誰のことも信じられず、友をも裏切ってしまった状況に陥った人がどれだけいるだろうか。
Soranjiにもあったように、今日の分の大好きを伝えられなかった人がどれだけいるだろうか。
最後のシーンなんて、「感動的」に仕上げられていたけど、残酷じゃないか。
「戦ってくれてありがとう」と言われて、「そうか、私は頑張ったんだ/あの人は頑張ってくれたんだ。良かったー」と、報われた気持ちになる家族がいるだろうか。
絶対にこの映画を「感動した」で終わらせてはいけないと思う。
ぱお

ぱお