爆裂BOX

テラー トレインの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

テラー トレイン(2008年製作の映画)
3.4
国際大会出場の為東ヨーロッパに遠征したインディアナ大学のレスリングチーム。その学生達が乗り込んだ列車で恐怖に遭遇することになる…というストーリー。
80年代にジェイミー・リー・カーティス主演で製作されたスラッシャーホラー「テラー・トレイン」をソーラ・バーチ主演でリメイクした作品です。リトアニアでの試合を終えた夜、女子大生のアレックスと仲間達は無断でホテルを抜け出して夜遊びに興じた末、翌日の列車に乗り遅れてしまう。途方に暮れる彼らだったが、偶然居合わせた親切な女性に同じ行先の列車を教えてもらい事なきを得たと思われたが…という内容です。オリジナルは列車内で仮面姿の殺人鬼に学生たちが殺されていくストーリーでしたが、今作では列車内で主人公達が次々捕まって生きたまま解体されていくという列車版「ホステル」という内容になっていて、タイトルと列車内が舞台という以外は別物になっていますね。
メスで身体に切り込みいれて全身の皮膚を剥いで赤い剥き身を出す冒頭から中々強烈ですね。腹から臓物取り出してたり、舌切り取ったり目玉抜いたり背中切開して脊髄刺したり、胸部丸鋸で切開して心臓取り出したりとグロ描写も強めではありますが、本家「ホステル」シリーズはじめこの手の拷問ホラーが連発されてたせいもあって食傷気味に感じる所はありますね。見せ方のせいか痛々しさもあまり感じなかった。乳首ピアス引きちぎる所と序盤の主人公の彼氏が釘踏んで足に刺さる所はそれなりに痛々しさ感じられました。
主人公達のキャラも定番のおバカな若者という感じであまりキャラ立ってるように感じられませんでしたね。折角のレスリング部員という設定なのにロクに抵抗したり戦ったりすることなく殺されたり捕まったりする所は正直物足りなかったですね。そもそもホテル無断で抜け出してパーティに行って乗るはずの列車乗り過ごしてこんな事に巻き込まれたわけで主人公達の自業自得感はありますね。主人公達待っていて巻き込まれて最初の犠牲者になったコーチ可哀想すぎ。悪役達もインパクトある見た目やキャラ立ってる感じはしなかったですね。
列車内を追ってから逃げまわるシーンはそれなりに緊張感感じられました。結局乗客たちはどれくらい自体知ってたんだろう?最後尾の人達は知ってたっぽいけど。途中乗り込んできた軍人たちにクレアが「プレゼント」として連れていかれる所は嫌~な雰囲気漂っていて良かったですね。
この殺人鬼達も快楽殺人者って訳ではなくてちゃんと理由がある所は面白いですが、あの走る列車内でそのまま手術したり、きったない手袋して臓器取り出す所は「いや、いくらなんでもそんなじゃ成功せんだろ!」っとツッコんじゃいますね(笑)終盤前に列車が止まって本部みたいな所にちょっと舞台が移ったのは列車内という閉塞感を薄れさせた感じがあったので、列車内だけで展開した方が良かったですね。ちょっとダレた気がします。
終盤では主人公の反撃が始まりますが、これもイマイチ盛り上がらなかったかな。列車にガソリンまいて火をつけるという荒業は良かったけど。女医にパンチ繰り出して火をつける所も良いですね。列車内から火がついた犯人が落ちるところはオリジナルのラストシーンへのちょっとしたオマージュかな?ラストの解体デブ親父との戦いで彼氏に教わった技を使う所はアツいんですけど、でもそこまで盛り上がらないのは惜しいな。その後の決着はスカッとしました。
ラストもアメリカに戻った後のエピローグもスカッとさせるものにはなってるけど、連れていかれた女友達はあの軍隊の性処理として活かされ続けてるのかと思うと微妙な後味の悪さも残りますね。
オリジナルとは全く別物で、「ホステル」のような拷問ホラーとしてはちょっと印象の薄い映画ではありますが、それでも及第点は満たしているので暇潰しにはなるのではないでしょうか。