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ブラック・フォンのmichikoのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.0
連続誘拐犯に拉致され、地下に閉じ込められた少年。そこはベッドとトイレと線の切れた黒電話があるだけで脱出は不可能の様に思われた。しかし、不可解にも黒電話が鳴り出し、これまでの被害者達が成し得なかった脱出のヒントが残されている事を伝えるのであった。

本作の原作『黒電話』の作者ジョー・ヒルはスティーブン・キングの息子である。その為か、この子供目線での巨悪に立ち向かう構図は『IT』に非常に似ている。『IT』では少年少女が実際に手を取り合って戦いを挑むが、本作では彼らを繋ぐのは黒電話だけである。だからこそオカルティックでありながらもご都合主義では無く、閉鎖空間からの脱出劇としてパズル的な面白みが維持できていた。様々なヒントやパーツが全て繋がる最後はスカッとする。

犯人の目的の描写が弱いことが気になるし、主人公達の成長物語としても元々そこまで欠点があったわけでは無かった。どちらかというと大人側の精神の解放がテーマか。
誘拐からの脱出劇というサスペンス要素とオカルトを混ぜた独特な作品となっている。
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