Itotty

僕を育ててくれたテンダー・バーのItottyのレビュー・感想・評価

4.0
本当に不思議なもので、本作に出てくるようなアメリカの田舎にある広々としたバーを見ると懐かしさというかノスタルジーを感じてしまいます。
店自体の設備や風景がそうさせるのかもしれませんが、でも一番はそこにいる人達が作り出す空気感なんですかね。

親父がいない主人公はベン・アフレックおじさんの営むバーで小さい頃から過ごしているみたいですけど、お客さんは後先考えずにめでたい時には酒を奢り、祝福してくれるような輩ばかり。時と場合によっちゃちょっとめんどくさそうなメンツもいるけれど、なんちゅうか故郷のようにも感じられる居場所がそこにはあって、とても羨ましくあり、懐かしく感じたのです。

しかもベン・アフレックおじさんは、人生で大切なことをたくさん教えてくれました。それは学校の授業のように無機質な知識としてではなくて、息をするように自然な中での生きた言葉でした。

女だけは殴ったらあかん
安物のスコッチは転落の兆しやetc

決して恵まれた生活ではなくとも、本当に大切な姿勢を身につけた主人公は、とてもとても親孝行な息子に見えました。それはイェール大学に通ったり弁護士になることよりも。

よくある少年の成長記かもしれません。
でも、何度もこうして振り返りたいと思いました。
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