鶏雑炊

デューン 砂の惑星PART2の鶏雑炊のネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

デューンpart2への感想です。

SFは好きですがデューン原作未読(正確には文庫本2巻目挫折)勢です。賛否は1に比べたらめっちゃ楽しめた!けどもっと短くできそう、という感じです。


アトロクのデューン特集でもあったように、本作の舞台設定は石油と植民地主義のメタファーに思えるようなスパイス、アラキス、フレメンなどなどです。

しかしながらスパイスがなぜそんなに重要なのかや、アラキス支配の歴史と帝国の関係性など根本的説明が欠けてる感があります。作中のかなりの描写がフレメンの文化に敬意を払いそれを積極的に学ぶも、同時に予言の成就に向けて動いてしまっていることに悩み苦しむポールに費やされています。一見すると運命論と自由意志の対決がテーマにも思えますが、ポールの自由意志を折る原因になったであろう南の居住地襲撃などの描写がその重要性に比べてライトなことや、運命論に呑まれた結果起こった出来事が悲劇的な予感は孕みつつも現時点では上手くいったように見えてしまうなど、描写の中途半端さが目立つように感じました。


ポールからすれば悲劇に向かってると自覚しつつもそれを止められない訳ですから、どこかで預言者としての定めを受け入れる諦観の描写か、もしくは自由意志に従ってるにも関わらず預言成就に寄ってしまうなどの描写が欲しかったです。


ただ、途中から狂信者と化してリサン・アル・カイーヴと叫びまくるスティルガーは最高に可愛く、君そんな人だっけ?という感じでした。
鶏雑炊

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