◆あらすじ◆
ハルコルネン家の陰謀によりアトレイデス家は滅亡したが、王子のポール・アトレイデスは生き延び、砂漠の民フレメンの力を借りて皇帝やハルコルネン家に復讐すべく、砂の惑星アラキス(デューン)で母のジェシカとともに行動を開始する。その中でポールはフレメンの間で救世主として祭り上げられていく。
◆感想◆
「DUNE/デューン 砂の惑星」(2020年製作)の続編となります。
前作で滅ぼされたアトレイデス家の王子のポールが砂の惑星アラキスでハルコルネン家と皇帝に対して復讐を図るストーリーとなっており、そのためにポールがアラキスの原住民のフレメンに認められるために数々の試練を乗り越えて成長していく姿が魅力的で最後まで飽きることなく観ることができました。
ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)は前作で辛くも生き延びてフレメンとともに行動していましたが、フレメンの間ではよそ者として疎まれており、フレメンとして認められるために巨大なサンド・ワームを乗りこなすなど試練に立ち向かっていきます。ポールがフレメンの間でメキメキと頭角を現していく様子は観ていてワクワクしました。
一方、母のジェシカ(レベッカ・ファーガソン)はポールの復讐を支えるためにフレメンの教母となり、ポールを救世主にすべく教えを広めていきます。前作の記憶が曖昧になっているのか「ジェシカってこんな人だっけ?」と理解がなかなか追いつきませんでした。
ポールはハルコルネン家や皇帝に復讐を図る一方、フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と愛し合うようになり、復讐の思いとチャニへの愛情の狭間で心を揺れ動かすようになります。ポールと常に行動するチャニがとても愛らしく、ポールとお似合いだと思いました。それ故にポールが救世主への道を進んでいくと同時にチャニとの距離が遠くなっているように見えて仕方が無かった。
ハルコルネン家では現当主のハルコルネン男爵が惑星アラキスでのスパイス採集を邪魔するフレメンに苦戦するラッバーン(デイヴ・バウティスタ)に愛想を尽かして、次期当主のフェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)をアラキスの統治者として送り込むのですが、このフェイト=ラウサが残忍であることが描かれるものの、ポールとの絡みが少なくあっさり退場してしまって残念でした。
ストーリーとしてポールが救世主になってからの展開がかなり短く、圧倒的な映像美で描くものの、戦いの激しさがあまり伝わってこず、救世主になってすぐにラスボスと対決みたいに感じられて、壮絶な戦いの末にラスボスにたどり着くようなものをイメージしていたのであっけないように感じました。
ラストは打ち切りエンドみたいな終わり方で「続編あるのか?」「チャニとどうなるねん?」と疑問が浮かんだまま呆然としてしまいました。
本作を観ている間、冗長に感じることなく最後まで作品に見入ることができたのですが、もう少しハルコルネン家の戦いを盛り上げるために軍団同士の大規模な戦闘などがあっても良かったかなと思いました。欲張り過ぎかな。
鑑賞日:2025年2月2日
鑑賞方法:Amazon Prime Video