まつこ

カッコーの巣の上でのまつこのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.0
久々に観ても『正義』の在り方の難しさを感じる。
視点が変われば正義が変わる。

『自由』とは何か。
規則や規律の中の自由は本当の意味での自由ではない。
ただ管理や統制がなく思うがままに過ごすということは傍若無人になるということだ。社会ではトラブルメーカー。
一歩間違えれば犯罪者。
みんな一人一人は愛おしいのに…いざ世界が社会に広がった途端適応できなくなる。
いや…勝手にそう評価しているだけなのか…

ジャック・ニコルソンがすごいんですよね。
いつも一回目の治療の後のシーンで泣いてしまいます。
みんなが「帰ってきた‼︎」と彼を愛し待ち望んだ顔をしている。束の間の安堵。彼らの希望の象徴。
でも、そんな彼を面白くないと思う人もいて…

この作品が語り継がれるのは俳優陣の好演もあるけど、ロボトミーが信じられ実際に施されていたことにあると思う。
時代と共に治療が変わり、正義が変わる。
ラストはやるせない。
あたたかいヒューマンドラマの中に人権や尊厳、色んな問題がはらんでいる。

余談…
某月9俳優の舞台版を見てしまったがために字幕を見ても彼の舞台口調が脳内再生されてしまう…忘れた頃にまた観よう。
(彼の舞台も良かったのですが、ジャック・ニコルソンにもっと浸りたかったのよ〜‼︎)
まつこ

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