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カッコーの巣の上でのwatakushiのネタバレレビュー・内容・結末

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ラチェット婦長に徹底的に逆らい、何事にも無気力でペットみたくただただ従うだけの患者たちにエネルギーを与えたマクマーフィー。

自分と違って、望めば退院できるのに安全な病院に篭る患者たちを、信じられないと呆れるシーン、
どう見たって無理なサイズ、重さの水飲み機?を全力で持ち上げて、少なくとも俺は挑戦した。と言って周囲を黙らせるシーンは胸に残る。

望めば変わることができるのに、安寧を求めてしまっていないだろうか?あれこれ言う前に、トライしたら良いんじゃないのか?
自戒。というか、マクマーフィーに痛いとこらをずんずん突かれつつ、お前もやってみろよと言われているような気分になる。

看護師にどれだけ追い詰められても、電気治療を施されても、退院が伸びようとも、それでもなお自由を求めるマクマーフィー。ロボトミー手術で廃人になってしまった姿はショッキングで、チーフによって窒息させられたのは救いなんだろうなと思う。

自由意志を奪われ、人形のようになってまで生きたいなんて、マクマーフィーが望むわけがない。
水飲み機をぶん投げ、窓を破り、朝日を背景に走るチーフの映像はとても美しく、リアルタイムでこの映画を映画館で観たかったな…と思わせられる。

ラチェット婦長がカムバックし、また同じ日々が続くのかな?と思ったけれど、
マクマーフィーが残していったポーカーがうつり、彼らの心に火が灯ったのかなと勇気づけられたりもした。

とても大事な映画。
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