キグルミ

カッコーの巣の上でのキグルミのネタバレレビュー・内容・結末

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

悲しいけど優しい話だなというのが
見終わって振り返った時の感想だ。
主人公は精神に異常があるふりをして
病院に移動になったが、同じような日々を
過ごし規則に縛られ続けている
患者達を見て少しずつ
変化を与えようとしていた。
空想で野球観戦をしたり
船に乗り釣りをしたり
規則に縛られているだけでは
出来ない事をしているシーンが
心に残った。
落ち着きのない患者達に頭を抱える姿が
あったがみんなのためにしっかり
その人の意見を主張し自分が怪我することなど気にせず向き合う姿がとても
荒々しい中にも優しさを感じた。

やってみなければ分からない

聞き飽きた当然の言葉のようにも
思えるが持ち上げられるわけがないものを
持ち上げて窓を破ろうとしたり
出来なかったが俺は挑戦したと言うシーンが主人公の中にある芯の強さのようで
素敵だった。
電気ショックを与えるシーンは
目を背けたくなるほど
怖いなと感じた。
婦長が最後まで背景の分からない人だったのでそれが終始胸に支える
部分だった。
仲間を自殺に追い込んだ婦長を
絞殺しようとし、植物状態にされた主人公を見て胸が苦しくなった。
代わりに脱出の決意が決まった仲間が
出来るはずのなかった重いものを持ち
窓を破り旅に出るシーンが感動した。
主人公の常識を覆す些細な行動が
精神を病んでいる人たちの心に
脈々と伝染してくれたら
と思うばかりだ。
キグルミ

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