三平

カッコーの巣の上での三平のレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.5
名作と言われることには納得
でも胸糞と言われると疑問

職業観がよく出る映画だと思う
主人公サイドに同調するか、病院サイドに寄るか、はたまた俯瞰で見るかで全然印象変わる気がする。

やばい婦長さんが出てくるってだけ知ってたから身構えすぎてたのかもしれないけど、全然普通の職業人じゃない?
荒れた院内ででかいトラブルが起きた時に管理者として焦らず冷静に場を収めようとするのは模範解答だと思う。奥底ではお互いが理解者で信頼し合ってたからこそ、真逆な対応をした相手に失望して怒りが込み上げるのもわかるけど。

こいつ正常じゃんってわかっていながらある種の見せしめとして廃人化させて始末するって判断した病院は確実に悪ではあるよね。
もちろん意味のなさそうに見えるセラピーするし患者に寄り添わない婦長勢も良くはないけど、自主入院してる精神病患者に対してって考えると理解できなくはないし、当時の医療としての正解を曲げなかったのだと思うと、道中は適切だったのではと思う。
こればっかりは公開当時に見た人の感覚には追いつけないから真の理解には迫れない気がする。

ニコルソンがすごいのはわかるんだけど、チーフが最高すぎる
ガムのシーンではマックとおなじ顔して笑った自信ある
主演はニコルソンだけど、主人公はチーフだよね
ネイティブアメリカンの宗教感あってこそのラストなわけだし、タイトル通り飛び立つのもチーフだし。

当時の社会をこんなに上手く落とし込んで、重たさと爽やかさを両立できるのはすごい。
逃げずに評価したアカデミーもすごい、今おなじ事しても絶対評価されない気がする。
三平

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