ぶみ

もっと超越した所へ。のぶみのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
4.0
ありきたりなハッピーエンドなんて、欲しくない。

根本宗子による舞台作品を、山岸聖太監督、根本自らの脚本、前田敦子、菊池風磨、伊藤万理華、オカモトレイジ、黒川芽以、三浦貴大、趣里、千葉雄大出演による群像劇。
四組のカップルに訪れた別れの危機を描く。
デザイナーを前田、ヒモ男を菊池、金髪ギャルを伊藤、フリーターをオカモト、風俗嬢を黒川、売れない元子役俳優を三浦、元子役タレントを趣里、あざと可愛い男子を千葉と、皆見事なキャスティングで、とりわけ最初から配役のイメージに上がっていたとされる前田と千葉は、あてがきされたのではと思われるほどのハマり役。
物語は、何故かダメな男にハマってしまう女性四人の姿を、同時並行的に描く群像劇スタイルで描いていくが、場所はもとより時系列も前後していき、テンポ良く進行。
一見、別々のカップルの話が実はアレとアレが繋がっていたり、台詞がシンクロしたりと、中盤からの徐々に畳み掛けるような展開に釘付け。
そして、一旦終わったかと思わせた先に辿り着いた結末は、かつて観たことのない、まさに超越したものであり、強いて例えるなら、ザ・ドリフターズによる往年の名バラエティ、『8時だョ!全員集合』。
男性目線からすると、登場する男性陣の見事なまでのクズっぷりに、思わず目を覆いたくなるが、全てを超越した結末は、是非その目で確かめてほしい快作。

何なの、そのプライド。
ぶみ

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