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アンビュランスのpenのネタバレレビュー・内容・結末

アンビュランス(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

序盤あたりは群像劇であるかのように視点変更が何度か続くけど、では作品全体で群像劇になってるかといえばそうでもなく、どの登場人物でもラストカットを締められるようにする為の措置にしか感じられなかった。そして確かに最後はその人で締めた方が良いとは思う。

ドローン撮影というおもちゃを手に入れたマイケル・ベイ監督の撮影はますます苛烈を極めている。通常のカメラ撮影と合体して、とにかく回って飛んでうねる。おかげで画面酔いした。本作はジェイク・ギレンホールが喋り倒すが、その音声を聞きながら爆発音が場内で鳴り響き、映像は三次元を表現するかのごとく飛び回るので、ある意味で劇場でしか出来ない体験を味わえるだろう(人によっては酔い止めが必要かもしれない)。

爆発の炎が派手に炸裂すると共に薬莢も飛び交い、人体からは血液が噴射する。相変わらずのエネルギーの濃さ。物語は誤算、遠回り、寄り道を終始繰り返し、しかしストーリーのタガがいくら外れてもジェイク・ギレンホールとヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世の関係性は絶対に外さない拘り。二人で音楽を聴く場面はワークアウトの合間の小休止にも似ている。
特濃なマイケル・ベイ監督作だ。

銀行強盗の始まりと制圧を省略で描いて脱走トラブルから描こうとしてるのが良かった(空間を制圧する様子より、アチラコチラを走り回るのを描くのが好きなだけかもしれないが)。
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