まおうのまおちゃん

ウーマン・トーキング 私たちの選択のまおうのまおちゃんのレビュー・感想・評価

2.0
試写会にて鑑賞。
前田敦子さんがトークパネラーだったのだけど、安心環境の中作られた作品らしい、とおっしゃっていた。
ウーマントーキング、名前の通りだった。「女が、話す」会話劇。
キリストの分派の街から男がいなくなる二日間を狙って村と自分たちのこれからについてはなす。
彼らはキリスト、主においての、選択を迫られる。
キャッチコピーの
「許すか、闘うか、それとも去るか」
どんな選択になるのかと見ていた。

劇中の絵を描く→投票→情報の伝達、というのは女性権利解放運動の流れを辿っていると感じた。識字率の低さも。

女が、女のことを話す。ただひたすら。
なのに彼女らは「主」において自分たちの行動がどうなのかを話す。その「主」すら男であることは指摘されない。
自分たちが何に侵害されたか、なんの所有物であったかは一向にだれも突っ込まない。一番キレキャラのサロメも。

女が女のことを話す時、自分の辛かったことや、悲しいことを開示するのではなく、尊厳のために、話し合う会話が見たかった。

犯罪者の行方は?
女たちはこれから主にたいしてどう生きていくのか?
その、主、が彼女たちをそんな目に遭わせたのではないか。

中核に触れない、憎む対象を提示しない、男にも万人受けするフェミ作品だと思う。それでいいのか、と現代フェミニズムの限界を見た