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ウーマン・トーキング 私たちの選択のmimuneのレビュー・感想・評価

4.0
共同体を出るか留まって闘うかを決めるためにただひたすら対話する女達
男の姿はほんの断片しか出てこないと思ったら、男たちが街に出かけてる間のたった2日間での出来事という設定らしい
閉鎖的なしかも宗教が根っこにあるコミュニティから、なんの知識もなく外界へ出て行く勇気が凄まじいし、そうせざるをえないほどに追い詰められていた女性達のつらさを思う
死ぬか故郷から出て行くかの2択しかないなんてことはどんな人間にもあってはならない
これが2000年代のボリビアで実際にあった出来事を基にした小説が原作なのが途方もなく信じがたく人間が本当に恐ろしい

クリスチャンとして見ていても本当に"男を赦さなければ天国に行けない"なんてツッコミどころしかないし、でも閉鎖的な限られた人間だけの宗教コミュニティにいると段々本来の教えから離れてああなってしまう空気感も身をもってよくよく分かるので、本当に出て行くという選択肢を考えついて実行した女性達を心から敬愛する

赦しは許可と混同される、本当にそう
聖書の言葉だけでなく、あらゆる言葉をmisuseしない・させないための教育が全人類には必要

映像は終始淡く落ち着いたトーン、対話する女達の話し声以外はとても静かで、たまに女達によぎる被害の記憶(PTSD)のときだけ脳に深く刺さるような音が聴こえたのが印象的
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