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ウーマン・トーキング 私たちの選択のmihoのレビュー・感想・評価

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前知識なしで見たので後から調べて知ったけれど、事件自体はノンフィクション、トーキングはフィクションなんですね。どちらかというと women arguingて感じだったね。

実際はメノナイトというボリビアに居住するキリスト教宗派コロニーでの事件らしい。彼女たちの祖先は欧州からロシア、アメリカを転々と渡って最終的に南米のボリビアにたどり着いたという。だからブロンド青い目の人たちで、言語は低地ドイツ語?を話しているらしく、完全にボリビアから孤立しているように感じた。彼らは現代的な生活を嫌い、農業畜産業で暮らす。女性は服も髪型も決まっていて、男性には刃向かわないかなり家父長制が強いコロニー。そこでのレイプ事件。
後半はフィクションとのことで、彼らがスポーツさえ禁ずるほどの平和主義、非暴力主義だったからこそこの結末なのかなと思うが、出ていく、しか現実的に方法がないということでもあって、その現実が辛い。「今まで一度も反抗したことがないのに戦えるの?」というセリフがあったが、本当に女性は力では太刀打ちできないのでこういう事件においては相当に無力だなと思う。

たった十数年前の事件で、それでも女性たちは文字も読めないという虐げられ具合に驚く。実際の記事では逃げるなんてことはしておらず、むしろ赦すという意見が多かったのも驚き。まだ同じようなレイプ事件が後を立たないというのに、赦さないと天国には行けないと思っているみたい。

宗教って洗脳と表裏一体で本当に怖いなと思う。
今のイスラエルパレスチナ問題だって宗教起因ではあるし、宗教がもたらすいいことってなんなんだ?と無神教的には思う。神は時に救いをくれるかもしれないけど同時に混沌や悲劇をもたらす。そんなんならなくて良い。なかったらなかったで生きられるのだから。宗教の概念がない世界は結構興味ある。

現代と、現代の文明の力のない(それらを知らない)世界、どっちが幸せなのかなとふと考えた。
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