親ガチャを始点に、人生がいくつもの分岐点の群からなっているなら、人間が背中に背負い込んだ業も愛おしく感じてしまうことがある。この物語において、幼き頃に母に見捨てられ、極道の道に搦め捕られ、多くの時間を>>続きを読む
ネタバレになるのでもちろん結論は言わないものの、その行く末はすべて前教皇によってデザインされていたーー。
「野心とは”神聖をむしばむ蛾”だ」
コンクラーベの舵取りを任された首席枢機卿無欲が”意志(>>続きを読む
荘厳な映画だった。人の一生がだいたい60年くらいだとして、映画はその物語の複雑性や密度をどれほど投影できるだろう。
血の宿痾はやっぱり人を引っ張る。それでも、才能が信念と結合し、貫徹されるとき、宿命>>続きを読む
良すぎた。天才・藤本タツキによる天才と凡人の運命の物語。凡人は天才に憧れ、天才は凡人に憧れる。小学校のクラスルームにはいくつもの運命の分岐がある。努力も、夢中も、運命には勝てない。クリエイターの端くれ>>続きを読む
人間の醜悪さと滑稽さの全てを投げ込んだ、パンドラの匣を逆再生で収納し直したかのような映画。処理する脳のCPUが激しく消耗している気もするが、もっとシンプルに直観で受け取るべき作品なのかもしれない。理性>>続きを読む
運命的な再会を回想する物語構成かと思いきや、現在で再会した二人の成熟した会話そのものがメインディッシュもなる大人映画。どこまでこの会話を味わえるかどうかは、人生の刹那、そので占めるロマンスへの解像度、>>続きを読む