011everydayさんの映画レビュー・感想・評価

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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

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「;-)」

ちょうど読んでいたブレイディみかこ「他者の靴を履く」と通じる問題、シンパシーとエンパシーの違いが描かれた話と思いました。

シンパシーは感情的な共感、自分が感じていることを他者に投影する
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

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全てのシーンが美しく、また美しく描かれる必然がある。人生において芸術が、官能がもたらす豊かさを表現するために、厳密なほど美しく描く。たとえ花が枯れても、相手をもう抱きしめることが叶わなくとも、それがも>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

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Marriage is an economic proposition.

若草物語を読む前の感想。↑のフレーズでググると本作のクリップが引っかかる。象徴的で多義的と思う。

ひとつにはエイミーが言う
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

4.0

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冗談のような政権と支持者たちに全力で乗っかる。状況の異常さを相対化するのにこれだけ真っ当なリアクションもないだろうと思う。頭を抱えたくなるくらいの悪ふざけもあるのだけど。

ミソジニーに踏み込んで、ニ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.0

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絶望して川から身を投げようとする人がいる。その人に何ができるだろうか?

という問いに対する一つの美しい回答として。劇中の天使は「彼が存在しない世界」がどれだけ虚飾とエゴにみちたものになるかを幻視させ
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天気の子(2019年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

愛(だけ)にできることはもうさほどない、
のではないか。

世界は不条理で、人を愛することはその不条理を超えて人生に意味をもたらすことでもあって、それは尊いこと。

だけれども、だからといって、世界に
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

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get a life.

素晴らしい。携わったすべての方に感謝。
全編に愛と誠意があふれまくっている。

喪失を抱えて人生を歩んで行くこと、にフォーカスしているのが何より素敵で。
喪った時間は元に戻る
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.5

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and yet,this is the truth.

ひとりのおじさんの狂った宇宙。
映像に残すことで、現実に存在しえないとされたものが存在することを証明できる、というのは、あまりにピュアに映像の力
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

4.5

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I'm not mistake. It all make sense.

悲しすぎる。病んだからだとこころ。ゆがんだ目。
それらがみたことのないようなショットとカットで語られる。あたかもそれが当然のよ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

It’s not rational.

悪夢。素晴らしい。

われわれの知ったつもりになっている世界の外側に、まったく別の力学で動く何かがある。
それでも、だからこそ人は家族を作り、わたしを拡張し、支
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ポップスターのすごみ。
われわれひとりひとりに固有の喪失と再生の物語がある。それは誰にも理解されず孤独に抱え込まざるを得ないこともある。

しかしそれを普遍的なかたちに昇華しうる
異形が存在する。誰と
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ここで提示された人生観についてどう思うか、考えるのはとても豊かであると思う。

不定形で非線形な音楽、
美しくデザインされた画面、は
詩的なもの、それ自体で価値を持つものへの賛歌で、
線形で予測可能で
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

青春映画のニュークラシック。

サクラメントをドライブする母と娘のカットバックがほんとうに素晴らしかったです。こうしたかたちで、母娘のつながりの深さが語られるとは。上京してきた人間のひとりとして涙。
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.5

それってプロポーズ?ダイヤがまだよ。

ブランシェット様が最の高です。
小粋なセリフと素敵な衣装、チームの関係性の楽しさ、それからキャラを立てることにとにかくフォーカスしていて楽しい。

計画が適
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

すごい。ひとびとが存在しているという確かな手触りに満ちている。

ものに溢れた部屋のデザイン然り。
予想の斜め上のパフォーマンスを繰り出し続ける樹木希林はじめ、演者陣然り。

疎外され、周縁に追いやら
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バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

You got trust me, right?
Fuck No!

信頼できる男、トムクルーズさいこう。
"アメリカをはめた男"、というか"アメリカという泥沼にはまりこんだ男"の生きっぷり。
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

カタカナでリスペクト。

小林市長/三船敏郎が象徴する日本はほろ苦い。

近代国家のタテマエとして反対意見を紹介するだけしといて、論理的な検討を行わず、暗黙の筋書き通りに事務的に判子を押して進めていく
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

”real” についての映画だと思いました。

"truth"は経験した人の数だけあり、またそれを解釈する人の数だけある。その多面的な"真実"が矛盾しながらごちゃごちゃと絡み合っているのが"現実"で、
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サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Is this America?
とにかくチャリとゴルフクラブとピーナツサンドの凶悪な用法に爆笑。

演者陣はさすが。ジュリアン・ムーアの笑顔に戦慄。ロジャーが語る安っぽいファンタジーを、安っぽいこと
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

Right now there’s sorrow. Pain. Don’t kill it and with it the joy you’ve felt.

北イタリアのどこかの初夏のファンタジー。
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ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

不在にまつわる映画、かなと考えました。

オープニングのピアノから醸される、極度の緊張感と不安。
(劇中音楽はどれも非常にはまっていて素晴らしいです)
映される画面に強度があるから見続けられるけれども
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マーベルはすごいなあ。。。
これだけとっちらかった宇宙を、秩序を維持しながらも、自由に軽やかにやってみせるという二律背反をこなす。

物語も矛盾した状況に答えを出していかないといけないという二択のゲ
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

キルモンガーかっこいいよキルモンガー。
抑圧され、傷を負い、自傷行為的な悪をなすヴィランという設定は切実。
団地に住む少年がムーばりのアフリカ超文明を夢見るていうのはグッときてしまう。
我々の本当の力
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

すばらしく美しいファンタジー。

もはや成立しないと思えた、ミッドセンチュリーモダン期のアメリカが失った甘美な夢。それがメキシコ人監督により、クリーチャーとマイノリティたちによって息を吹き返した。
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