きになるきさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

きになるき

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劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

所々にジブリの過去作を彷彿とさせる構図やモチーフ、芝居があり、なんとなくドキッとした。アニメーションとして(つまり、現実を分解してコマと線と色によって再構成されたものとして)しか知らないジブリの「ジブ>>続きを読む

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

"この時勢にエンタメの世界が生きる"ことを、ここまで直情的に表現できるのは「ミニシアター系エンタメ映画」という媒体だからこそ。人が集まる空間がクローズドに点在する意義はここにあると思う。

抜本的な解
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

2回目だと初っ端から涙腺がヨォ。

「居場所」ってテーマの織りまぜ方が繊細で、あー、原語、とても解りたい。

マジで良すぎるアクションシーンについて、調べたりしてない個人的な感覚だけど、

美的感性が
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学校の怪談4(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

半分くらいしか見れんかった怖くて。でも根っからの悪霊じゃないのはすこ、とてもすこ。あとワイヤーと垂直プールがスゴい。

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

政策ではなく政治の在り方にフォーカスした話はおもしろく、聞き応えがありました。しかし、"若者"の描き方について一つ疑問に思いました。

若者の政治参加を訴えようとする時に同世代の学生団体をモデルにする
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

それぞれに構築された各自の状況は断絶し、使用する言葉はその亀裂に従い、分かたれる。見える世界もまた然り。それなのに、その亀裂を深く辿ったところには、肉体と血のままならない共通項がある。地平とマグマのイ>>続きを読む

めがね(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

おもしろさとシュールさが共存する中、語られない寂しさが免責を伴って在る、とてもよき。唯一めがねを持たないコージが、大切なものを隠してはそれを忘れていくという美点を持つことを含めて、とてもよき。

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

夏が繰り返されるに従って、少しずつ記憶が蓄積されていくイメージで受け取った。「前に進む」とか「乗り越える」とかそういうんじゃない、古い記憶のかけがえなさと、それでも新しい記憶を受け入れる切なさとが共存>>続きを読む

ロゼッタ(1999年製作の映画)

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自分の生を全うすることを目指しているだけなのに、被る害と手を汚す瞬間が入れ替わり立ち替わり訪れる。加害の苦しさを本質的にわかりえるのは、その害の苦しさを体感した人だけだよなあ、と。

恋する惑星(1994年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ちょうどよく気持ちよく、きもち悪く、「これは……れ、れんあいだ〜〜〜〜〜!!!」ってなった。
四半世紀も生きていない私が実感を伴わせることは難しかったけれど、人生のいつかどこかに恋をする生物たる男女と
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誰も知らない(2004年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

それがどれほど現実かという筋については冒頭の監督の文言通りだけど、それとは別に、これはほんとうの話だと思った。蕎麦を食べながら笑っていたしげる君に象徴的だけど、内実のままならなさと表層の曖昧さが心に苦>>続きを読む

片袖の魚(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

不完全さを前提し、され、生きる人の物語。マクロな人間関係に生を終始させられる強さに憧れはあるけど、水槽のガラスを意識せざるを得ない弱さは、私が他者に接続する上で有用だと信じたい。
この作品が先駆になっ
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空気人形(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

描かれるマクロな人間関係が切なかった。その人のパーソナリティをシステムや属性に還元して考えることが、私にとってどんなに強い鎧になってたかを思い知らされた。

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

今まで、"家族・絆・関係性の細田守"ってイメージでいたけど、繋がりの再解釈を経てる感じがして、個人的には嬉しかった。「素敵な家族」が繋がりの全てじゃないよねって細田さんの作品で言ってくれるとは思わん>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

何も起こってないはずないのに何も起こってないように思えるのは、既視感がありすぎるからなのかもしれない。男女格差然り、家父長制然り、自分の場所を確保するために外見を磨くのとかも、今の日本で20代女性が感>>続きを読む

ジュブナイル(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

誰も嘘をつかない、誰も誰のことも嫌いじゃない世界で繰り広げられるSF、なので、すごくとても真実。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

現場を垣間見たいと血眼になっていた「元・観客」の、映画という媒体それ自体に対する愛の表明。

メタ的な映画愛の散りばめ方が印象的で、特に日本産アニメのアニメーション表現へのリスペクトがすごい、しかもそ
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東京物語(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サンプリングの宝庫として見ちゃった。ジェスチャーとか、あるあるな関係性とか、資料としてめちゃくちゃ参考にしたくなっちゃう。特に子役と、泣く演技。

人間自体を描くってより、人間関係の中に滲み出してくる
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雨月物語(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

不思議なこわーい話×男女関係……って受け取り方合ってます…………??

色んな要素が入り乱れてて若干困惑したのは、私が受け取り方を知らないからだと思う。原作を二、三しか知らず、ちょっと調べてみて納得、
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西鶴一代女(1952年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

"真実の想い"探しの愛の旅かと思いきや、ツイてない一生をなぞる思い出アルバム。流される先は尽く激流。寄る辺を探し続ける足に過去の自身の選択が絡みつくのがまさに、転落人生。この世の不幸詰め合わせましたっ>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ミュージカルを先に観てたので色々モヤモヤ。ミュージカルってやっぱりご都合主義強すぎるよ、もっとえぐみ出してこーぜ、全部精算しなくていいと思うよ。ってなった。

物語面では、言葉が苦手な人が行動を遺して
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麦秋(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「あたしみたいな売れ残りで」って気持ちがわかってしまうのが辛い。

「帰れ帰れ、幸福なる種族!」とか言ってるのが一番楽しいってのがわかってしまうのも辛い。


っていうか……

時代、変わってねぇーー
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

起承転結、ラストシーンに愛嬌あり、みたいな、脚本のお手本感ある。

めし(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

物語構造がとてもシンプル。主人公がいて、その周りの人と環境があって、それに心動かされて、選択をしていく、かたち。それだけ、多くの人が共感しうる主人公だったんだろうなと思う。「幸福」について「女の」って>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

プライドの在り処と心惹かれる感情の定義を知らないわたし、混乱極まれり。けど面白かった、すごい好き。

煽る演出が少なくて、じわりじわり、なんか、染み拡がった末にひとつの絵が描かれる感じで、キャラクター
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羅生門(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1つの状況をベースに異なる物語が紡がれるとこがおもしろかった。

結末が明らかな分、物語を展開することよりも物語の内実を埋めることに注力され、その結果、その人間を深く掘り下げた信念の部分が鮮明に立ち顕
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晩春(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なんつーか、"めちゃくちゃ文学的"って言えばいいのか……? 「これこれがこうしました」ってだけを描いて「ハイ、じゃあ貴方は何をお感じになりますか」って感じ。音楽とか能とかの使い方も大胆で豪快だし、BG>>続きを読む

第三の男(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ミステリって情報開示のタイミングが肝だなーと。

音楽とか無音とか、場による声の響き方、知らない言語など、聴覚効果も多数。

"道"のモチーフの使い方が個人的に好み。

人の関係性の温度感が粋。無粋な
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃキリスト教! パンも魚も、或いはお金も、誰かの為にかき集められる時には莫大な山になるよねわかる。

物語構成としては、主人公が主人公然としてるのが印象的。

天使が彼の半生を見る、って構図
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カサブランカ(1942年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

街・場・時代みたいな、ひとつの舞台・器にして、キャラクター達の想いを錯綜する、"人"ベースな物語構成だと思った。

「シチュエーションに押し出されることでそう行動せざるを得ない」ってより、信念とか愛と
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市民ケーン(1941年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

モチーフや構図で語る色あり。誰かの人生を描くってつまり、たぶんだけど「象徴」の連続、だからそうなんかなー、とか。

キャラクターは、行動先行で描いて台詞で心を開示する、が多かった。それに伴ってか、ハイ
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レベッカ(1940年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サスペンス?だから?か、は、わからないけど、「キャラクターのパーソナリティとリアクションありきで物語が進む」って感じはしなくて、先行した事実を台詞で型どって、それをずらーっと「はいどーぞ」って見せられ>>続きを読む

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

半生の区切り方が絶妙。一歩間違えれば後味悪くなっちゃうところを、台詞・演技・演出でぎゅんっと挽回するのがそれはもうパワフルすぎて打ちのめされた。

状況による行動原理規定に留まらず、キャラクターに依拠
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

行動の必然性とその中での心境変化が綺麗に歯車噛み合いすぎて神やーって思った。

「ジェリコの壁、毛布バサァwwwww」の、後味がよき。

「ンモゥ、王道少女漫画なんだからぁ〜♥️」ってシーンがたくさん
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