TagTakさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.5

男の求愛をヒラヒラとかわす女性たちのオムニバス。男と女の一期一会を、随所に小粋なユーモアを忍ばせ、小気味よくシーンを畳み掛ける。プロットも無駄なく出来てるが、それよりはロメール独特のこなれた語り口を楽>>続きを読む

アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生(1955年製作の映画)

4.0

秀作!。全編に底意地の悪さを行き渡らせつつ、ユーモアが横溢していて、観客の倫理観がマヒする。スマートなオチも天晴れ。

銀河(1969年製作の映画)

3.5

過去と現在が混在した時代錯誤が罷り通ったカオスな珍道中に、キリスト教をブニュエル節で徹底的に嘲り笑う不遜さが楽しい。ギャグがモンティ・パイソン的ですらあり苦笑い。

赤い影(1973年製作の映画)

4.0

ニコラス・ローグによる赤色と水が織り成す幻想的な映像美。編集による素早いジャンプカットと主人公の脳内映像が交錯する、俄に何が起こったか分からないサスペンス性も効果的。不吉や警告の象徴のように画面に映り>>続きを読む

呪いの家(1944年製作の映画)

2.5

幽霊屋敷モノながらコミカルで牧歌的という変わり種。解決方法が幽霊への説教w。

シッダールタ(1972年製作の映画)

3.5

青色と黄色を基調とした幻想的な色彩設計に心奪われる。冒頭の水面の透明感溢れる美しさたるや!。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.5

アル中を巡る話と思いきや、中年男たちの"老い"についての辛辣な物語。"若さ"の代替であるアルコールで泥酔して、翌朝には家庭崩壊を迎える落差に人生の深淵を垣間見る。「それでもやり過ごすしかない」とヤケク>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.0

前半の血湧き肉躍る格闘アクションに「素晴らしい貴種流離譚になるのでは!」と期待したのも一気呵成。後半は竜にカメハメ波と何でもアリな世界観で「監督は中国武侠片に興味ないんだな」と興醒め。随所で挿入される>>続きを読む

スペードの女王(1949年製作の映画)

4.0

ピカレスクロマンとオカルトが渾然一体と化した、冷酷なサクセスストーリーがひたすら優美に展開する、痺れるような傑作。衣擦れの音だけでホラー映画のような恐怖を醸造する、音の演出が秀逸。白黒ながら絵画のよう>>続きを読む

キャット・ピープルの呪い(1944年製作の映画)

4.0

孤独な少女の祈りが亡霊のごときイマジナリーフレンドを呼び寄せるダークなおとぎ話。リュートンホラーらしい陰影を巧みに配した撮影は見事で、木の葉舞う庭の現実離れした美しさにウットリ。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.0

理屈っぽい。セリフで語られる「物語」に感じる歯がゆさ。

女の秘めごと(1969年製作の映画)

4.0

メチャ面白い!。『めまい』などの名作を下敷きに二転三転のミステリーを張り巡らしながら、画面をオッパイが埋め尽くす下世話なサービスを忘れないフルチ節が◎。特にエンディング。「あの展開でこのラストか!」と>>続きを読む

知りすぎた少女(1963年製作の映画)

5.0

再見。マリオ・バーヴァ最高傑作!。冒頭で主人公に次々とサスペンスが降りかかる不条理展開からして素晴らしい。怪奇映画的な怖い演出の直後にギャグを盛り込むあたりは、巨匠の余裕で敬服するしかない。

行き止まりの挽歌 ブレイクアウト(1988年製作の映画)

3.5

快作。日活アクションと東映セントラルが掛け合わさった、80'sという時代が成せる特異点。藤竜也の渋く薄汚れたアウトロー刑事ぶりがカッコいい。惜しむらくは終盤が弛緩しており、あと10分短かったら傑作だっ>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.5

アンドレ・バザンも言及してるようにマッカーシズムの影響を抜きには語れない、正義が民衆の排他主義と日和見主義によって蹂躪される冷酷さ。真の敵は、強い悪漢ではなくひ弱い民衆心理。ゲイリー・クーパーが正義を>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

4.0

安易な説明台詞ではなく、具体的な出来事やショットを提示することで、年老いていく恐怖を呼び込む。その一方で、夫婦の老いを感動的に描くシャマランの仕事ぶりに惚れ惚れ。生命が誕生して死ぬまでの長回し、ピンボ>>続きを読む

白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.0

トンデモ設定の数々に笑った。とにかく盛り込みすぎなんで、ひとつひとつのアクションが短いのがいい。脳のひだの一本一本までが筋肉でできてる映画。ハリウッド超大作の良いとこ取りしてるにも関わらず、アメリカを>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

2.0

鈴木亮平の圧倒的暴力性。肉親への憎悪や組親への忠誠が入り交じる、複雑な人物像を肉体の説得力で演じ切る。ただ、作品がその魅力に追いついておらず、周りの俳優もお膳立てしてるかのような鈴木亮平のサンドバッグ>>続きを読む

DAU. 退行(2020年製作の映画)

4.0

人間の愚行を6時間も凝視し続けるにも関わらず、前作『ナターシャ』よりも映画的構成がしっかりしていて見やすいという驚き。監視社会や優生思想が蔓延していく後半は、スタンフォード監獄実験の実写版のような厭さ>>続きを読む

濡れ牡丹 五悪人暴行篇(1970年製作の映画)

3.5

裏切りとドライな暴力が交錯する、ピンク映画というより太和屋印の殺し屋映画。『殺しの烙印』の奇妙に現実感を欠いた世界観はクセになる。感電ギャグといい山本昌平の裸踊りといい、冷めきった演出の中で突如起こる>>続きを読む

チェンジリング(1979年製作の映画)

4.5

再見。何度観てももの悲しい気持ちに襲われる名作。

ルチオ・フルチのホラー・ハウス(1989年製作の映画)

3.5

ゴシックホラーとファンタジーを行き来する不思議な幽霊屋敷モノ。冒頭とラストでゴア描写をキメるフルチの職人芸が◎。

ルチオ・フルチのザ・サイキック(1977年製作の映画)

4.0

傑作!。女が見た予知夢が事件を呼び起こす上質なフルチ流ミステリー。予知夢の断片が現実通りになっていく展開が、パズルのピースがハマっていく快感となり物語に惹き込んでゆく。ラストのキレ味も文句なし!!。

悪魔の受胎(1979年製作の映画)

3.5

『エイリアン』のパクリを通り越して、もうくだらな過ぎてアホ面白い。発狂した妊婦一人によって宇宙基地が全滅するヘッポコさに笑いながら、狂人妊婦の腹を蹴って応戦するクルーたちのエゲツなさに爆笑。バラエティ>>続きを読む

恐怖の精神病院(1946年製作の映画)

2.0

リュートンホラーかと思ったら古めかしい時代劇。尺80分に対して体感時間2時間。

怒りの日(1943年製作の映画)

4.0

フィルムの質感・場面の空気感は紛れもなくカール・T・ドライヤーで、無機質で陰影の濃い白黒映像には中毒性がある。霧が立ち込める野原のシーンは、『サンライズ』のような美しさで見事。宗教映画でありながらフェ>>続きを読む

ミイラ再生(1932年製作の映画)

3.0

ボリス・カーロフの顔芸を堪能する歌舞伎みたいな映画。

怒霊界エニグマ(1988年製作の映画)

3.5

結構面白かった!。全身カタツムリまみれになったり、彫刻が動き出して襲いかかる、ルチオ・フルチらしい思い切った飛躍がバンバン登場して愉快。イジメを巡る復讐譚が女同士による男の取り合いへと矮小化する、脚本>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

1.5

"厚顔無恥"とはこのことかと、関心しながら観た。高校生たちの努力の結晶である映画が、監督の私情によって上映が中止され、監督が自らの不徹底さをスクリーン前で告白するや否や、文化祭の上映会で茶番が繰り広げ>>続きを読む

モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

4.5

ジャッロの始祖にして頂点。美意識の塊のような映画で、グラフィックアートとして完成度の高い典雅なビジュアルを作り出している。闇に映えるジャケットの赤、マネキンの赤、ストーブの赤、そして鮮血の赤。赤色への>>続きを読む

クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉(1969年製作の映画)

4.0

トリッキーな映像美だけで片時も目の離せない作品だが、幽霊映画としてもしっかり怖い。殺人鬼が殺した妻の亡霊に苛まれる受難劇は中川信夫『東海道四谷怪談』と双璧!。

Islands(英題)(2017年製作の映画)

2.5

20分の中にデ・パルマにジャッロにファスビンダーと監督の好きな要素をブチ込んだ短編。目と口を塞がれた異形の殺人者の造形に『墓地裏の家』を思い出した。幻想的で耽美的でLGBTなタッチに、監督のゴンザレス>>続きを読む

The Iron Rose(英題)(1973年製作の映画)

3.5

ローランらしい退廃的な世界観。カップルが墓標や十字架を破壊し、骸骨の真横でSEXに耽るバチ当たりの限り。"死"に感化された女性が墓場で踊る姿に不思議な感動を覚える。