くろゆりさんの映画レビュー・感想・評価

くろゆり

くろゆり

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.5

不気味さを漂わせる中、突如暴力的に登場するレザーフェイスの恐怖。スプラッターのような映す残酷さはなくとも、チェンソー大虐殺の名に相応しい恐ろしさ。
マスクやセットの気持ち悪くもかっこよさすら感じさせる
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教皇選挙(2024年製作の映画)

3.5

ミステリーとしての緊張感と展開の素早さでかなり純粋に楽しみやすい。
劇伴もだが、静と動の音の使い方が見事で、レイフファインズの呼吸までもが過剰だったのが面白かった。ヤバいことした瞬間にピタッと静かにな
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ノスフェラトゥ(2024年製作の映画)

4.5

画面の、特に吸血鬼が出るシーンの灰がかった青色の美しさ、ムルナウオマージュか影を使った演出、時代背景を感じる服装や街並みなどうっとりと浸りたくなるような世界観。オルロック伯爵の、生者と死者の狭間のよう>>続きを読む

ガール・ウィズ・ニードル(2024年製作の映画)

4.0

疲れのためか前半部ほぼ寝てしまったため、完璧には理解できていないと感じるが良い作品だった。
古典ゴシックホラーを思わせる情景と映し方の美しさと気味の悪さが絶妙で、さらに音の使い方がとても面白かった。劇
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.5

誰もが言う序盤のノルマンディ上陸作戦のシーンは映画史に残るレベルの迫力。戦争映画の最高傑作を前半から叩きつけてくるもので、呆然としてしまった。
あまりにも鈍重で残酷なアクション描写。戦勝国の映画とはい
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

悪趣味的興味で中学の頃ぶりだが、こんなにも面白かったか。
ショットの一つ一つの決まり具合がさすがキューブリックというレベルだし、全部が印象深く、インパクトが抜群。
「悪を治す」って話かと思えば意外とそ
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ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025年製作の映画)

3.5

シリーズ1番の見せ場であるアクションシーンの迫力は流石である。かなりの長尺かつ緊迫感を与える空気作りでよかった。
やりたいアクションから脚本を作ると言うスタンスによる脚本の粗はかなり目立った。「急にど
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MOON GARDEN/ムーンガーデン(2022年製作の映画)

4.0

昏睡状態の少女が辿る不気味で優しさのある世界。襲いかかるおじいちゃんの入れ歯や孤独なお姫様、登場する不思議なものたちの全てが、少女の幸せな記憶と両親が仲良くいてほしいという願いによるものであること。手>>続きを読む

アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.5

セバスチャンスタンが、体型やスーツといった所以外で段々とトランプにしか見えなくなるのが恐ろしい。表情の使い方であったり、横顔がトランプ本人と空似してしまうような瞬間もあった。ロイコーンやイヴァナなど周>>続きを読む

ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

4.0

初インタラクティブ映画。自身の選択で映画の中身が少しずつ変わっていくのがだんだん癖になってくる感覚。気づけば我々もバンダースナッチをプレイするように抜け出せなくなるのだ。
作中でも重要な位置付けである
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.5

思った以上に世評風刺映画だった。そして思った以上にタチが悪い。
ウイルスの脅威に慣れ始め、警告を無視していく民衆。大したことも言えず、結局悲惨なことになる政府。皮肉が詰まってるし、彼らが理性を持ったま
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流転の地球/さまよえる地球(2019年製作の映画)

4.0

テレビシリーズを2時間の映画にまとめたのかってレベルの編集テンポの異常さ。感傷に浸ったり次の出来事を待つ間もなく展開していくし、それを支える圧倒的なCG技術の素晴らしさ。地上世界や車の走行の迫力が凄ま>>続きを読む

サンダーボルツ*(2024年製作の映画)

3.5

キャラクターたちが心に寄り添うメンタルヘルスケア映画として、ハリウッド映画で見せてくれたことは素晴らしいと思う。ちゃんと人助けをする瞬間もあり、そこが見れたのは嬉しかった。
しかし、アクションは予告以
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ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

3.0

ジャンルとして宗教の陰謀という要素が私の琴線に触れるもので、かつ画作りの空気感がかなり好きだった。
キャラクターを全員活かしきれてなくね?と感じた。司祭の必要性があんまりないっていうのと、ジャンレノが
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NN4444(2024年製作の映画)

3.5

感想が他の人と被るけど、3本目、4本目、特に4本目が白眉。
一本目はかなり分かりやすいが、それゆえ展開が読めてしまうのが難点。
2本目は流石に抽象的すぎる。
3本目は不快さが常に付き纏うような作品で、
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赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

5.0

観に行けるタイミングがあって本当に良かった…観る手段が上映のみという本作。少しでも多くの人に届いてほしいと思う傑作。
色んなジャンルを詰め込んだような作品であり、ファンタジーからギャグから、恋愛、犬、
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メイデン(2022年製作の映画)

3.5

自然と妙な心地の良さを感じてしまうような映画。カナダの自然の美しさがありつつも、どこか退廃的で、画面の隅々から死の匂いを感じられる。なのに、不思議と浸っていたくなるような気持ちの良さがある。
死の世界
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今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は(2025年製作の映画)

4.5

なんて映画だ。作品全体のトーンの変化がありつつも最後は恋愛映画として大満足できる。各所に要素を散りばめつつ、あの曲が流れてのクライマックスは流石に感動してしまった。
河合優美さんと伊藤蒼さんの演技の素
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.0

エドワードのあまりにも純粋無垢なかわいらしさ。褒められたら喜び、悲しい時は俯いて、人の優しさを素直に受け取る姿が素敵だったし、皆が素直に受け入れる前半は優しい気持ちになれた。
エドワードのビジュアルが
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.0

作り話ばかりと辟易していた父親との和解。父親のことを知ってくと共に作り話のことを知り、しかしそのファンタジーの夢をある程度見させたままで居させてくれるバートンの描き方が素敵だった。
病室でのラストは、
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ダーク・シャドウ(2012年製作の映画)

3.5

全然嫌いじゃないんだけど、コメディかシリアスどちらかに振り切った方が面白かったのでは。吸血鬼コメディにするか、産業バトルにするのかとか。
バートンらしさが満載でもないし、終わり方も詰め込み過ぎで中途半
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NIMIC/ニミック(2019年製作の映画)

4.0

日常が誰かにとって代えられる気持ち悪さの空気感の作りはさすがランティモス。どことない嫌さを与えてくれる。
スリラーではなく、コメディ。卵を茹でるだけで壮大な音楽が流れるの笑うし、あの音楽がかかるとクス
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ピーウィーの大冒険(1985年製作の映画)

4.0

傑作だった。とにかくピーウィーの元気溢れる動きに元気がもらえた。
ティムバートンのもつ子どもらしさ、楽しさを象徴するような冒頭のピーウィーのお家のシーン。バートンのポップダークなビジュアルってのはあん
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ダンボ(1941年製作の映画)

4.0

ダンボが本当にかわいい。お母さんが大好きで甘えるダンボの愛らしさ。癒される。
監督はこれを描きたかったのではないと思うピンク象のシーン。2匹が見た幻覚のはずが段々独立していくのが面白かったし、目まぐる
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リロ&スティッチ(2002年製作の映画)

4.0

昔何度も観たんだろうな。10年近くぶりに見返しても台詞とか覚えてたりするもんだ。
スティッチの悪ガキらしさがかわいいと家族にしたくはないなの絶妙さ。リロとスティッチが楽しそうに遊んでるところずっと見て
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ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年製作の映画)

4.5

この作品の素晴らしさは一目見て心を奪われてしまうオープニングから現れている。本当に大好きな曲。ハロウィンっていう世界の不気味な可愛らしさがティムバートンの造形すぎるのだからマッチしないわけがない。
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

4.0

36年前の自身のオリジナル作の続編だから、ティムバートン節が効いてて最高だった。流石に色々と入れすぎじゃないかと思うところはあるんだけど、最高に笑わせてもらったし、霊界に行ってからの終盤が楽しすぎたか>>続きを読む

ティム・バートンのコープスブライド(2005年製作の映画)

4.5

ストップモーションアニメの美しさに最初から圧倒された。これ本当にひとつずつ動かして作ってるの?ってくらいに綺麗。「ナイトメア〜」もそうだけど、ティムバートンデザインで溢れているから、アニメの方が好きな>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

3.5

ガンダム完全初見で、1話の何分かしか観たことがないが、「あの始まりだ」と感じさせること、そして何か特異なことが起こっている感覚があり、面白かった。
後半からのオリジナルパート。まだ序盤だが、曲の使い方
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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.0

パレスチナの人々がイスラエルの入植者に、家を、教育を、水を破壊される。その凄惨な様子がそこで生き、抵抗する人々の目線で映し出す現状はあまりにも酷い。
スマホを使ったり、煙草を吸ったり、笑って話したり私
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.0

ポンジュノすげえーってなった。
画の撮り方とか出てくる登場人物それぞれのインパクトとか、中盤からどんどん判明していく真相とか、どんどん惹きつけられた。
終盤に「これどう終わんの?」って思ったらまさかで
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マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)

3.5

ジョンウォーターズの狂気と悪趣味!自主制作であることを感じさせるチープさがそこらかしこにありつつも、自分のやりたいことを全力で投影し、尚且つ皆が楽しそうなのがわかるの素晴らしい。自分が映画作るのならこ>>続きを読む

ロングレッグス(2024年製作の映画)

3.0

アメリカ公開時から期待してたけど、結論としてもっと出来たと思ってしまった…
物語全体の雰囲気や世界観、絵面の不気味さなど好きなところはあるんだけど、が故にもっと画で語れただろ…ってところが多かった。
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.5

シンシアが出てきてからのミュージカルシーンはどれも最高で、Defying Gravity と共に最高潮に盛り上がるラストに心打たれた。曲がどれも良かった。Popular がいちばん好きかな。
心情を歌
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