くろゆりさんの映画レビュー・感想・評価

くろゆり

くろゆり

ルックバック(2024年製作の映画)

4.5

58分という尺に全く隙がない。あまりにも無駄のない展開と素晴らしいアニメーション。リアルで繊細な人間の心理をうまくアニメーションとして描いている。
何かを熱中して作り出すことのリアルと共感が詰め込まれ
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デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

4.0

設定と世界観の使い方が上手い。サプライズ演出として、そのキャラクターの扱い方として文句のない。
NWHのようにサプライズに話が振り回されていない。ちゃんとデッドプールの続編としてもウルヴァリンのバディ
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

4.5

理想郷を目指す少年少女の冒険奇譚としては満点ではないか。パズーとシータの少年少女としての成長、ムスカの作中ヴィランとしてのカリスマ性、海賊たちの仁義を持った人間性。メインキャラそれぞれがしっかりとした>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.0

ナウシカ自身の話はかなり王道。ナウシカにとっての世界を救うために自己犠牲を働き、自然の力で奇跡の復活を遂げる。典型的英雄譚。
持つ魅力はやはり世界観。核戦争のメタファー。人類終末へ進む世界。自然の再生
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.0

前半、ラッカで起きた惨状を隠さずに映し出される様に呆然。ここまで映すのか。ISISの映像が実際の出来事と思えなかった。
居場所を変え続けなければならない。一歩間違えば死ぬ状態、仲間も何十人と殺されてい
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.0

月という存在がまだ謎多き魅力的な物体だったことを感じさせるファンタジー。120年前の映画だから、映画というより映像演劇に近い。セットやキャラの動き方がコミカル。
なぜ色をつけてしまったのか。そのせいで
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生きものの記録(1955年製作の映画)

4.0

オッペンハイマーよりも核自体を描かずに反核であることを伝えている。
原爆や水爆にいつ襲われるかわからないあの世の中で、三船敏郎彼だけの持つ目線が正しかったのではないか。側から見れば異常なまでの恐怖は当
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オカルト(2008年製作の映画)

3.0

「モキュメンタリー」のもつ恐怖ではなく、楽しさを追求した作品。終盤のあの規模の展開はモキュメンタリーという形式だからこそ成立している。
2人の関係性は魅力的なキャラクター作りの監督ならでは。見た目の特
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もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

どこから話そうか。語るべきものが多すぎるほどに素晴らしい。
おそらく自然とのつながりがまだ深く、しかしなくなりつつあった時代の話として描いた。ジコ坊のような輩が多くいるから、今、自然は死んだのだろう、
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.0

いちいちカッコつけたセリフを放ち、確かな腕前でカッコつけて飛行船を操縦する。それがポルコ。カッコいい豚だけど、普通に照れるし、子供っぽい一面もある。そういうところ含め彼の魅力だ。
昔はポルコかっこいい
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違国日記(2023年製作の映画)

4.0

家族とは違う共生生活。140分近い長尺ながらゆったりと最後まで楽しめるような優しさと、日常シーンの、笑顔で楽しんで見られる感じ。別に家族を目指すわけでもない、死んだ人に対すて何か新たに思うわけでもない>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

4.5

なんと優しく甘酸っぱいストーリー。中学生の子どもたちの繊細な感情や成長を丁寧に描いている。雫がはじめは大人だなと感じていた聖司が、終盤には雫の方が大人びた印象を感じるのも、女性がすぐに成長してしまうの>>続きを読む

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.0

ボブマーリーの曲はすごく良い。だが、それはこの映画の力ではない。ボブマーリー自身も演じた方は素晴らしいが、話的にボブマーリーがダサい男に見える。それが狙いでも功績を並べるならどうなのと思うし。
思った
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.5

12人それぞれのキャラクターがしっかりしてて、かつ全員が人間らしさのあるのが面白い。
再現映像もない、語られる内容は事実と予測だけ。それが視聴者を13人目に落とし込んでいる。
因縁なんて何もない無関係
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.5

あまりにも純粋で正直な思春期女子の心。なぜこうも愉快に繊細に描けるだ、宮崎駿。めんどくさい乙女心。
描写それぞれが明示しないが、素直にわかる。
魔女としてのキキの話としては十分な終わり方。だがそんな終
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

3.0

まさに王道ウエスタン映画といったストーリー。イーストウッドが渋くてカッコ良い。
主役の銃撃シーンは少ないが、その分撃ち合い時の緊迫感がより増している印象。
主に二組の悪者を潰そうと暗躍する主人公。立ち
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マルサの女(1987年製作の映画)

5.0

あまりにも完璧。あまりにも隙のない面白さ。
無駄の一切ないテンポ感で120分ずっと面白い。宮本信子と山崎努の演技が素晴らしい。有名な音楽のワクワク感。何回もかかるたびにニヤッとする。
マルサ強すぎる。
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魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)

3.0

ドラキュラのねっとりした嫌な雰囲気。
有名な設定とは一部違う部分あるが、大まかには承知の通り。ドラキュラ主導で進む序盤が台詞も少なくまあみやすい。後半のゴタゴタ感も見事。
最近のレンフィールドの序盤が
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サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)

3.0

実際の事件がこれの4、5倍の被害というのが恐ろしい。カルトの気持ち悪さをしっかりまとめ上げていた。
何ヶ月の出来事を一晩二日としたため、展開が急であるのは否めない。pov視点でドキュメンタリー風だが、
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関心領域(2023年製作の映画)

3.0

起きた悲劇を知っているからこそ想像できてしまう恐怖。微かではない、意識が向く程であるのになぜ画面上の人々は関心を持たないのだろうか。
音以外の部分でも奇抜なことはやっている。しかし画面上で描かれる出来
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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

4.5

リメイクでどんなに足を速くしても勝てないテンポ感の良さ。前半1時間の展開の速さがすごかった。フォーマットのシンプルさとアクションの見応えもあって全然飽きない。
アングルで何が起きているのかを見せるのが
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セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

4.5

わりかしガチで今年ベストレベル。怒涛のここまでなるかの連続。この結末は予想できなかった。
伏線やフリが効いてるのと、環境保護に対する皮肉もある。ちゃんと怖いし、ちゃんとやばい。しかし馬鹿馬鹿しいサメ映
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

最初のカットで意表をつかれ、そういう話なんだと思った。セットもしっかり意味のあるもの。宇宙人ポーズとるのかわいい。
一面的にみるとなんとなくわかって楽しめる。だけど全体的には全然わかんない。

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

3.5

幽霊の顔がやけに怖い。
む?となったところあるけど、ちゃんと本筋は解決するし、面白かった。

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.0

本当に辛い。見たくなくなったし、泣きそうになったし、本当だと思いたくなかった。だけどちゃんとみるべきと思った。
恐ろしい20日間。だが、たった20日間。

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.5

これで終わりでいいんかい。だけどモモアが楽しそうでニコニコ。
最初のモモアの休日みたいなの良かった。メラの出番変に減らしてない!
気楽に楽しめる。景気の良い終わり方。

処刑人(1999年製作の映画)

4.0

ナンセンスなところ多いけど、めっちゃ好き。デフォーがまあ有能で気持ちが良い。
これぞダークヒーロー。2人が仲良さそうで微笑ましい。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

兄弟たちが本当に仲良さそうで、より辛くなる。あんなに立て続けに不幸が訪れるとは。ザックがひたすら可哀想。
ラストのラグビー良かった。抱き合うところ良かった。

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

4.5

人間ドラマ不要!怪獣ドラマとでけえ奴らのどんぱち最高。バカバカしいのをここまでやられると逆に感動。
走ってるところあんなに熱くなるとは思わなかった。

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.5

トーナメント表OPのやり切った感。前作とはまた違った色。もう割り切ってみるしかない怪獣プロレス。ビジュアルのかっこよさは前作と程遠い。良くも悪くもおもちゃ的。
ラスト超アガって終わる。まあいっかってな
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回転(1961年製作の映画)

3.0

幽霊描写の居る感は後のJホラーに超影響。立ってるだけの怖さ。
子供からの恐怖対象へのベクトルの変化。冒頭とも繋がる利己的さ。独善的考え。
回転とは?の意味が分かってからの気味悪さ。そういうことか。原題
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

5.0

絵コンテのみで面白い。見てみたかったし、やるべきだった。だけどできなかっただろうなとも思わせる。絵コンテのみで大きな影響を与えている作品。これが作られていたらSF映画の形が今と変わっていそう。
ラスト
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サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

4.0

話や映像表現がエルトポ等と比べめちゃ分かりやすい。ホドロフスキー印のエログロ描写も満載。初心者には一番良いのでは。
宗教の抑圧。親の抑圧。異端教の狂気はキリスト教的ともいえる。
子供の頃に受けたものが
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ビースト(2022年製作の映画)

3.0

今更ライオンのモンパニなんてと思うと意外と面白く、ハラハラする。
ゴチャついてないシンプルな映画。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.5

ゴジラで描かれなかった綺麗事じゃない陰鬱な戦後の昭和史。戦争の無力さと無意味さ。
ここまでするかと叫ぶほどに残酷で胸糞なストーリー。
グロテスク描写も気合入っている。だがワンパターンにも思えた。見せ方
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ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.0

序盤と終盤のテンション感の高さよし。しかし中盤は流石に中弛みしてる。退屈に感じてしまった。自主映画のようなオープニングの色彩使い。
ホワイトボードの演出は好き。縮図的に描かれるショッピングモール内。
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