pierさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

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選ばなかったみち(2020年製作の映画)

3.7

認知症を患う父と、病院に連れ出す娘のわずか一日の物語。
頭の中は一人旅や初恋、亡き愛犬の事ばかり。
意志疎通ができず、父の言葉を推測するしかないもどかしさ。
同じ空間にいるのに、三人称で"彼"と呼ぶ周
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最後の恋のはじめ方(2005年製作の映画)

3.4

デート・コンサルタントとして生計を立てる男が、恋愛に興味のないゴシップ記者と恋に落ちる。
最終的には、変に取り繕わなくても自然体が魅力的だという方向へ。
観客の予想を何一つ裏切らないお決まりの展開。
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.0

レバノンの底辺で暮らす人々のドラマ。
身分証も出生証明書もない、推定12歳の少年が両親を告訴する。
自分をこの世に産んだ罪で。
このような社会で、心身ともに傷つけられるのはいつも子供。
ゼインの笑顔に
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.8

ケネス・ブラナーによるエルキュール・ポワロ第2作。
ナイル川に浮かぶクルーズで、新婚旅行中の令嬢が殺害される。
愛には様々な形があり悲劇を生むという話。
前回よりキャストの豪華さは若干落ちるものの、ア
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.8

ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を、テニス世界チャンピオンに育てた父親。
ジョン・マッケンローより扱いにくいと言われるほど独断的で暴走する事もあるが、知徳体の教えと強い信念で夢を実現させる。
時折
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クロッシング・ガード(1995年製作の映画)

3.3

自動車事故で娘を失った男が、刑期を終え出所したばかりの加害者に復讐する。
暴走するキレた被害者の父親と、罪の意識に苦悩する気の毒な加害者という構図。
ジャック・ニコルソン、デヴィッド・モースと各々イメ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

2.8

村上春樹は肌に合わないと知りつつ鑑賞。
妻をくも膜下出血で亡くした演出家の夫。
2年後出会う、寡黙なドライバーと演劇のメンバーたちとの交流。
良くも悪くもゆったり流れる3時間の尺に物凄く体力を奪われる
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.6

兵役年齢の男性の死体に偽造文書を持たせ、ヒトラーを欺くという奇抜な作戦 "オペレーション・ミンスミート"。
実際の戦闘とは対照的に、ひたすら机上の頭脳戦と恋愛要素もあり。
イアン・フレミング少佐だけで
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サッドムービー Sad Movie(2005年製作の映画)

3.7

4組の男女の別れを描いたオムニバス。
消防士のチョン・ウソンは、誠実なのにどこか鈍感な役がよく似合う。
別れさせ屋に舞い込んだ、別れたくない依頼が切ない。
タイトルにはサッド・ムービーとあるが、その悲
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.3

財宝が眠るという地図にはない場所を目指す冒険アドベンチャー。
全体的に可もなく不可もなくという印象。
兄の残した手掛かりも個人的にはいまひとつ。
船ごとヘリで持ち上げるのは迫力あり。
トム・ホランドの
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ボブという名の猫2 幸せのギフト(2020年製作の映画)

3.2

上映時間の都合が良かったため、前作未見のまま劇場へ。
ストリート・ミュージシャンと茶トラ猫の絆を描く実話。
動物福祉局が生活環境の調査にやって来るが、彼らを暖かく見守る周囲の人々が救いの手を差し伸べる
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ハード・ヒット 発信制限(2021年製作の映画)

3.7

子供たちを車で送り届ける途中、車の座席に仕掛けられた爆弾。
降りる事も通報する事も許されない中、犯人の無茶な要求に応じるしかない状況に。
終始座ったままのチョ・ウジン。
動機である銀行支店長に対する恨
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あなた、そこにいてくれますか(2016年製作の映画)

3.8

医師として働くキム・ユンソク。
謝礼にもらった謎の薬を服用し、30年前に戻って亡き恋人に逢いに行く。
過去を書き換えると様々な犠牲が伴う。
終盤の展開が予想以上に目まぐるしく、どうなるのかと見入ってし
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.8

幼くして養子縁組をしアメリカで妻子と暮らしていたが、些細な事から強制送還されてしまう。
2000年以前に養子縁組した子供たちは市民権を取得しておらず、国外追放を余儀なくされる現実。
それでも彼らの人生
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白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.9

イランの司法制度の下で、人生を奪われた被害者とも言えるべき人々の話。
冤罪で夫を亡くした妻と幼い娘の前に、正体不明の男が現れる。
新たな人生を促す一方で、男性と親しくなると阿婆擦れ扱いする社会。
好き
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高慢と偏見(1940年製作の映画)

4.0

古き良き時代の英国。
当時は珍しく自立した女性エリザベスと、上流階級で尊大な態度のダーシーによる恋模様。
気の毒にも色々誤解されるローレンス・オリヴィエが適役。
女性には遺産相続権がなかった時代。
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.3

言わずと知れた名作を、60年ぶりにリメイク。
現代版『ロミオとジュリエット』のような悲劇と、不良グループ同士の抗争。
オリジナル鑑賞時はそこまでの感動はなかったが、今回は冒頭から高揚感が止まらない。
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.9

無関心の街、ロサンゼルス。
平凡なタクシー運転手が殺し屋を乗せてしまった事から、悪夢のような一夜が始まる。
ヒールに徹したトム・クルーズが、冷酷だが紳士的でなかなか良い感じ。
依頼人のハビエル・バルデ
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ザ・メキシカン(2001年製作の映画)

3.3

呪われた伝説の拳銃"メキシカン"。
ドジばかり踏むブラッド・ピットは、組織の命令で銃を持ち帰るためメキシコへ。
監視役兼殺し屋のジェームズ・ガンドルフィーニが良い味出していて加点。
ジュリア・ロバーツ
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ノイズ(2022年製作の映画)

3.5

過疎化が進む猪狩島。
黒いちじくで復興の兆しが見えた矢先、島に来た怪しい男を誤って殺害してしまう。
その段階で公にすれば良いものを、嘘に嘘が重なり後戻りできない共犯関係となる3人の幼馴染み。
何を守ろ
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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.8

ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの伝記映画。
黒人への反リンチを提起した曲『奇妙な果実』で、麻薬捜査の人間に一生追われる身になる。
出る杭は打たれるというが、公民権運動の初期においてこの生き様は衝撃的
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国境の夜想曲(2020年製作の映画)

3.3

中東に暮らす人々を描いたドキュメンタリー。
スコアはあくまで映画としてのもの。
一番衝撃的だったのは、子供たちの描く生々しい殺戮の絵。
目撃したその光景を話す姿も辛いし、一生トラウマになる出来事ばかり
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.9

アイヴァン・ライトマン追悼。
祖父の死後、唯一の遺産である古びた農場にやって来た一家。
変人扱いされていた彼には、家族を犠牲にしてまでも守るべきものがあった。
小さいマシュマロマンの大量発生が可愛い。
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裏切り者(2000年製作の映画)

3.2

まっとうな道を歩むと決意した、刑務所帰りのマーク・ウォールバーグ。
大金を稼ぐ悪友に流され、収賄や殺人にまで加担する始末。
前半は特に、意志が弱く学習もしないレオに苛立つ展開。
2人の男に愛されるシャ
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ワン チャンス(2013年製作の映画)

3.6

オペラ歌手ポール・ポッツの半生。
携帯電話販売員に甘んじながら、アマチュアのオーディション番組で優勝した事からプロになる。
病気や交通事故に見舞われる散々な日々を過ごしてきたとは知らず、それが報われて
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フラッド(1998年製作の映画)

3.3

洪水で立ち往生した現金輸送車。
それを狙う強盗一味に、金に目が眩んだ保安官も現れ三つ巴の戦いに。
水中から脱出する場面がちらほらあり、こちらまで息苦しく感じる。
モーガン・フリーマンは殺生を嫌う情に厚
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355(2022年製作の映画)

3.4

世界を自由に操れるというデバイスを巡るアクション。
第三次世界大戦を未然に防ぐため、世界各国の女性スパイが協力する。
ストーリーに特筆すべき目新しさは何もなく、ただ女優陣を愛でる映画。
個人的には、ダ
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パイプライン(2021年製作の映画)

3.4

韓国中の地下を通る送油管に穴を開け、石油を盗み取る"モグラ"。
大金と引き換えに危険な任務につくが、イカれた依頼主により事態は二転三転する。
お人好しの課長が気の毒。
その他は比較的コメディ要素が多く
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声もなく(2020年製作の映画)

3.8

養鶏販売を行う一方、死体処理を裏稼業にして生計を立てる口のきけない青年。
誘拐された少女を預かった事から、事態はどんどん悪化する。
息子ではなく娘だから身代金を渋る親は、今の時代も存在するのか。
ユ・
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クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

3.4

イスラエルとパレスチナから集まった若者が、楽器を持ち寄り平和をテーマにコンサートを行う。
最初は互いに衝突し合いながらも、政治と友情を切り離して絆を深めようとするが…。
事故なのか陰謀なのか、はっきり
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.2

人気雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の最新号にして廃刊追悼号。
歴史や芸術、政治から美食に至るまで、個性豊かな編集者たちによって面白い記事が完成する。
囚人画家のベニチオ・デル・トロ、壁画と暴動のモノク
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シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―(2021年製作の映画)

3.2

麻薬や銃など、何でも気軽に売買できる闇サイトを立ち上げた青年。
天才的な頭脳を持ちながら、割りと詰めが甘くメンタルも弱め。
権利ばかり主張してもやや説得力に欠ける印象。
アナログ刑事の型破りな捜査方法
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さがす(2022年製作の映画)

3.8

指名手配犯を見つけたと言い残して突然姿を消した父と、その行方を捜す娘。
父親を捜すうちに、恐ろしい別の顔が見えてくる。
捜すと探す、本当のさがしものは何なのか。
背後にある重いテーマを提起するものでは
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.7

事の発端は1台の青い自転車。
列車事故で妻を亡くした軍人のマッツ・ミケルセン。
証人を消すための組織の陰謀だったと告げられた事から、事態は急変する。
暴力でしか解決できない男の行く末を、ユーモアも交え
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ザ・ミスフィッツ(2021年製作の映画)

3.7

悪人から奪い弱者に還元する、義賊的集団ミスフィッツ。
テロリストの資金源を断つために、刑務所に眠る金塊を盗み出す。
原題そのままの邦題をもう少し何とかして欲しかった。
年齢を重ねても魅力的なピアース・
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

家族で唯一耳が聴こえる少女が、歌という夢を追いかける。
漁業を営む父や兄の手伝いと歌のレッスンの両立に苦悩しながら、導き出した答えとは。
実際に聾唖の役者を起用しているそう。
笑いが絶えない上に、互い
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