書類を地道に調べる捜査がメインなので、このシリーズで楽しみにしていたロケが少ないのは残念。
殉職警察官を祀る『弥生廟』と前歯のない浜田寅彦は初めて見た。
終戦間もない頃とはいえ、あまりにも貧しくて驚愕した。とはいえ悲惨な話ではないので救われる。
学校の校舎の佇まいが素晴らしいし、子役の二木てるみと学校の先生のエピソードがとても良い。
弟のちびっ子は>>続きを読む
インテリの三船もカッコいいが、千石規子の存在感が抜群。ファンになってしまった。
列車シリーズ3作目にして最終作。
渥美清がフーテンになった小松政夫に説教して更生させる件は面白いが、前衛芸術やヒッピーのドタバタが強烈で列車シリーズだという事を忘れる。
最後に取って付けたように新>>続きを読む
列車シリーズ2作目。
ミヤコ蝶々が母親で笠智衆も出演しているので『男はつらいよ』を彷彿とさせるが、こちらの方が先。
渥美清は国鉄職員として真面目に働いているし、笠智衆をバカにした同僚を叱りつけて改>>続きを読む
列車シリーズ1作目。
渥美清はブルートレインの専務車掌。前半は長崎行き寝台特急『さくら』の車内で繰り広げられるドタバタ劇だが、後半の鹿児島行き『富士』ではしんみりした人情劇。
鈴木ヤスシに大原麗子>>続きを読む
主演は久我美子だが話の中心人物は17代目中村勘三郎。
戦争で心に傷を負って働けず子守をしている元軍人が、更なる不幸に見舞われる悲惨な話だが、小坂一也の甲高い歌声で重苦しさを和らげている。
18代目中>>続きを読む
祇園の街並みや芸妓の立ち居振る舞いなどが極めて美しく描かれているが、彼女らに群がる男たちが酷すぎるという現実も。
木暮実千代が今まで観た作品の中で最も魅力的。
大正時代に移民団としてハワイに渡った2組の夫婦と現地で生まれた子ども達の苦難の物語。
新天地での農地開拓の苦労よりも、真珠湾攻撃後に敵国民として受ける差別の方がより悲惨に描かれていて、企画の木下惠介氏>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
木下惠介監督にしては珍しくユーモアも無く善良な人も登場せず、終始憎悪が渦巻いている。阿蘇山麓の雄大なロケーションは素晴らしいし、デコちゃんの演技も見事だったが、話が重苦しくて観ていて辛い。
映画デビ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
根っからの悪人ではないペテン師が、島の人々に慕われていた造船業の男の遺児になりすまし、造船の出資金を騙し取ろうとやって来たが、島の人達の人の良さに後めたさを感じて改心し、船の完成後に自首するという、な>>続きを読む
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冒頭のシーンを見て、嫁の久我美子を姑(浦部粂子)と小姑(デコちゃん)が虐める橋田壽賀子ドラマの様な話かと思いきや、夫の佐田啓二がとても良くできた人で、心温まるホームドラマだった。
物干し台に上がって>>続きを読む
凶暴とか目つきが鋭いとか言われている不良少女のデコちゃんだったが、ワルには見えず普通に可愛かった。
脚本の黒川慎は黒澤明。
このレビューはネタバレを含みます
若尾文子の演技は見事だったが、話が重過ぎて気が滅入る。陰湿なムラ社会の異常性や、目潰ししてまで夫を出征させまいとする妻の切羽詰まった心情がひしひしと伝わってきて観ていて辛い。
上原謙の社長と幽霊の2役や二転三転するギャングとの攻防は面白かったが、越路吹雪の歌が聴けなかったのが残念。
見どころは鴈治郎が化けて出てくるシーンだけ。娘を呪う理由がよく分からなかった。
木下藤吉郎の佐藤允をはじめ、キャスティングが絶妙。加山雄三は若大将シリーズよりカッコ良く撮れているし、敵役の中丸忠雄の絵に描いたような悪役ぶりが面白い。
高峰三枝子と久我美子の対決は緊張感があって見入ったが、デコちゃんと田村高廣の恋愛話は結果が予想できたので冗長だと感じた。
昭和29年頃の立教大学を見られて嬉しい。杉山とく子の女子大生姿も貴重だ。
時代劇の一心太助シリーズはどの作品も面白いのに、こちらはイマイチだった。
コンピュータではなく電子計算機と言うところに時代を感じる。
江利チエミの実写版『サザエさん』の10作目にして最終作。
ギャグがマンネリでこれで最後かと思うと残念。『テネシーワルツ』が聴けたのは良かったけど。
このレビューはネタバレを含みます
江利チエミの実写版『サザエさん』の9作目。
エプロンおばさんのキャラが薄くて、立ち退きを迫られている可哀想なおばさんにしか見えない。サザエが女中として潜入して結果的に立ち退きが決まり、ハッピーエンド>>続きを読む
変人の数学者(笠智衆)とその娘(岩下志麻)の結婚話が中心かと思いきや、後半は文化勲章受章を巡るドタバタ劇で、グレゴリー・ペック似?の川津祐介は影が薄い。
ボクシンググローブをはめた笠智衆など他では見>>続きを読む
江利チエミの実写版『サザエさん』の8作目。
タラちゃん初登場。といっても赤ちゃんだけど。育児や家事を手伝うどころか赤ちゃんに嫉妬して飲んだくれるマスオに時代を感じる。
カツオとワカメが相変わらずウ>>続きを読む
江利チエミの実写版『サザエさん』の7作目。
社宅が豪華な一軒家で驚いたが、この家での生活はあまり描かれず勿体ない。後半の舞台はまたしても大阪で、ギャグも関西の芸人さん頼み。
雪村いづみと宝田明はお>>続きを読む
大河内傳次郎の台詞が歌舞妓調なので、いつにも増して何を言っているか分からないが、重厚で迫力のある弁慶だった。
方やエノケンは持ち味を生かした軽快でコミカルな演技で、作品を分かり易くしている。
デビュー間もない三船敏郎が若くてカッコイイ。侍姿でないのも新鮮。
結核患者なのに狭い部屋で賭博をしていたり濃厚接触者が多いけど、移らないのか心配になる。
台詞がよく聞こえないし、キャスティングもイマイチ。原節子の母親が三好栄子で憧れの人が藤田進って、戦後間もないから役者がいなかったのだろうか。
原節子が強そう。お淑やかな役より似合うと思う。
江利チエミの実写版『サザエさん』の6作目。
テレビを初めて買うネタとか、電気製品への憧れに時代を感じるが、ギャグはマンネリで江利チエミの顔芸頼み。
江利チエミの実写版『サザエさん』の5作目。やっと結婚。
雪村いづみとの歌謡シーンに期待したけど、意外にあっさりで拍子抜け。
名優志村喬に浪花千恵子、アチャコ、金語楼、のり平、森川信らの喜劇人、平田>>続きを読む
江利チエミの実写版『サザエさん』の4作目。
前半は福岡県や長崎県など九州北部の観光案内。後半の舞台は大阪で、浪花千恵子、花菱アチャコとサザエさんの掛け合いが楽しい。
襟が河童の頭みたいなサザエさん>>続きを読む
江利チエミの実写版『サザエさん』の3作目。カラーになって、主題歌も一新。
デパートのバイトはふざけ過ぎだと思うが、昭和30年代のデパートや街の様子が興味深い。パン食い競争に和服で参加している人がいて>>続きを読む
江利チエミの実写版『サザエさん』の2作目。前作同様、昔の漫画らしい古典的ギャグだけど笑える。
見どころは、美空ひばり、雪村いづみのモノマネからの『ウスクダラ』。
おっちょこちょいで愛嬌のあるサザエさんのキャラは、江利チエミにぴったり。作製年代からみてもこの作品が原作の世界観に一番合っていると思う。
鶏小屋に閉じ込められたり、クリスマス会で輪になって踊る、ほの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
彼女が危篤なのに東京に行って、政治家に会ったり会社辞めるとか、グズグズしているように思えてイライラした。
案の定、彼女が亡くなってしまったのに婚礼をするとか、魔性の力とかいう以前に三國連太郎の行動が理>>続きを読む
休診なのに次から次へと患者が訪れる町医者の人情喜劇。戦争で精神に異常をきたした元軍人の三國連太郎のキャラが際立つ。奇声を発したり完全にイカれてるけど、スーさんだけあって釣りは上手かった。
このレビューはネタバレを含みます
ユニークな風貌で居合い抜きを披露する大力大五郎と、彦一という正体を明かしてからの終盤の大立ち回りは迫力満点で、大友柳太朗の魅力を堪能できた。
約束どおり生きて城外に出ることが出来たのに、最後は悲し過ぎ>>続きを読む