のののさんの映画レビュー・感想・評価

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オデュッセイア(2026年製作の映画)

3.8

ホメロスのオデュッセイアでは神々の介入により運命が左右される印象があるが、今作ではアテナでさえ倫理観や罪悪感の概念的存在であり、人間の手による秩序の崩壊、一線を超えた世界が強く描かれていた。Nobod>>続きを読む

ビートルジュース(1988年製作の映画)

3.4

ビートルジュースって何?って思ってたけどBetelgeuseなのか。続編以上に風刺が効いていて、その世界観で暴れ回るビートルジュースや幽霊夫婦は爽快だった。

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.6

ユニバのやつだ、と思って前情報無しで観たらウィノナ・ライダー出てくるしウィレム・デフォー出てくるしびっくり。エンドロールでビートルジュースがマイケル・キートンだと判明して更にびっくり。ティム・バートン>>続きを読む

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

4.0

『グッド・ウィル・ハンティング』は自分を信じることの難しさを描いた作品だったが、本作は自分を信用出来ない精神状態で他人を信じることの難しさが描かれていたように感じる。幻想に囲まれた彼の世界では、他人か>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

距離感って難しい。美しく見えたものが近付いてみると歪んで汚れていたり、逆に離れることでその全貌が明らかになったり。友達や家族との距離感も同じだと思う。自分らしく生きるということは自分の手の届く範囲の環>>続きを読む

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

3.2

全体的に焦点の当て方が甘くぼんやりとした印象。ジャンヌの信念を深堀して最期まで描ききっていたならば評価も違ったはず。伝記映画というよりは、身分や伝統をものともしない恋愛映画だった。そんな彼女が背中を見>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.0

ラストシーンが堪らなく好き。言葉以上に二人の表情が全てを物語り、こちらに展開を委ねている。見ると言っても何を見るか、何が見えるかは人それぞれで、これまでの様々な視線がラストに集約されていた。

黒水仙(1946年製作の映画)

3.4

たとえシスターであっても自分の中に潜むものを無視することはできない。無かったことになんて出来ないから、支配されないようにそれとどう対峙していくかが大切なのだろう。ディーンという欲望との対比と並行して、>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.2

シンプルで静謐な内容なのに要素を詰め込みすぎて逆に表層的な印象を受けた。
粉末茶では得られない茶葉の記憶を世界の循環に絡める表現がとても素敵だった。人間よりもAIの方が瞬間を切り取り大切に想っている点
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92歳のパリジェンヌ(2015年製作の映画)

3.2

尊厳死を描いた作品の中では比較的明るさのある話。
生きて老いることの延長線上に死は必ず存在するのに、何故人はそれを否定するのだろう。生きていることと息をしていることは違う。変えられない運命ならば、好き
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.0

そこに着地するのかあ。『ビバリウム』の不条理さが魅力的で期待していた監督だけど、資本主義批判としては少しばかり安直だったように思う。

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)

3.4

デ・ニーロとショーン・ペンの誕生日と聞いて。2人がドタバタコメディしてるのを見てるだけで満足度が高い。さらにカトリック教における信仰や赦しの概念が不完全な彼らの再生を通して誠実に描かれていて、そちらの>>続きを読む

ミニオンズ&モンスターズ(2026年製作の映画)

4.4

映画愛に溢れていて大人でも楽しめる作品。クロノフォトグラフィーや工場の出口の時代から映画史の裏側ではミニオン達がわちゃわちゃ活躍してたかと思うと口元が緩んでしまう。サイレント映画からトーキー映画への過>>続きを読む

プロジェクトA(1983年製作の映画)

3.4

内容はコメディで面白いのにやってることは無茶苦茶で意味が分からなすぎて圧倒される。CGやカメラワーク等を利用しない本物のアクションって素晴らしい。時計台からの落下は興奮を超えてなんで生きてるの?ってな>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

3.6

原作もよく理解出来ていないけれど、この作品はそれに輪をかけて不思議で独特な世界。視覚的な痛みと聴覚的な生々しさが混ざり合い、不気味なのに目が離せなくなる。好きとは違うけれど多分また鑑賞する気がするし、>>続きを読む

PARIS(パリ)(2008年製作の映画)

3.8

カタコンブのような中世の遺物からモンパルナスタワーのようなモダニズムまで融合されたパリの街。同じように喜びも哀しみも感情はマーブル模様に存在していて、あまりに近すぎるが故になかなかそれに気が付けない。>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

SNSやVRが日常の一部となっている現代において、もはや現実と虚構は同一線上の存在として扱われている。夢が個人の抑圧された思想の一部であり、対となる自分であるならば、この映画の世界観は既に我々が体験し>>続きを読む

蝶採り(1992年製作の映画)

3.4

予想外の着地。でもこれが人生なんだろうな。時は移ろい価値は目紛しく変化していく。自分が今手にしているモノの正体は何なのだろうか。

RRR(2022年製作の映画)

5.0

ただただ圧倒的な熱量に心を鷲掴みされる。「ナートゥをご存じか?」は何回聞いてもテンションぶち上がるし翻訳者に惜しみない拍手を送りたい。

落下の王国 4Kデジタルリマスター(2006年製作の映画)

3.6

自分の人生なのにその本質が分からくなるときがある。アレクサンドリアは幼さによって、ロイは絶望によって。叙事詩として紐解いていく中で二人の人生は交わり、虚構と現実が溶け合っていく。その偽りが現実を飛び越>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

3.6

アレックスは旅の途中に出会う人々に希望と喪失を与える。彼自身が信じていない人間関係を無意識に構築したからだ。それを否定する彼は変化することなく荒野へ向かう。
結局、完全に自力で生きていくなんてことは不
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赤い風船(1956年製作の映画)

3.4

ある種の生命体のように縦横無尽に飛びまわる真っ赤な風船。それを通して人間の優しさと残酷さが寓話的に描かれている。この美しさをどうやってフィルムに収めたのか気になる。

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.6

『花様年華』でも感じた、言葉にならない空気と湿度が二人の間に濃厚に漂っている。ただ今作ではイグアスの滝のように激しく循環しているにも関わらず、くるくる回るランプのように結局は元の場所に戻ってきている。>>続きを読む

北の果ての小さな村で(2017年製作の映画)

3.4

知識も生活も価値観も異なる土地。でも、どんなに遠くに見える高山もその山脈を辿れば自分の足元に繋がっていて、少しずつ歩み寄り理解することが出来たならばそこにたどり着くことができる。自分の世界を広げること>>続きを読む

フットルース(1984年製作の映画)

5.0

'80sミュージックとダンスがとにかく格好良くて最高。オープニングの自由で軽やかな足元が強烈な情熱を放っている。
保守的な街に旋風を巻き起こすという普遍的な物語ではあるが、登場人物の信念を丁寧に描くこ
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.0

本当の自分を見つけたのに病気とみなされ理解されない苦しみと、夫を失いリリーを失う怖さが繊細な映像を通して交差していく。ストッキング、絵画、スカーフなどの小道具が二人の心情を巧みに映し出している。
アイ
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ブレス あの波の向こうへ(2017年製作の映画)

3.8

爽やかサーフィン映画かと思っていたら少年から大人への過渡期をほろ苦く描いた上質な作品だった。
穏やかだった世界に突如現れた荒波。自然に打ち勝つ万能感や死の香りを感じる恐怖心。逃げ出したいような現実から
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或る終焉(2015年製作の映画)

3.6

息子を喪い空っぽになったデヴィッド。終末期患者に寄り添い彼らのパーソナリティを取り込みながら行動する彼の心は止まっていて、走ることにより無理矢理心臓を動かしているようだった。慢性的に死に寄り添った彼の>>続きを読む

ジェイ・ケリー(2025年製作の映画)

3.4

自分で選んだはずの手付かずのチーズケーキ。口に入れて噛み締めなければその複雑な味わいには気付けない。

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.6

愛国心に胸を踊らせる若者達が現実に直面し心を失い使い捨てにされていく。その一方で将軍は自身のエゴをギラつかせ安全な場所から無謀な指示を飛ばす。ガチョウを盗み僅かな食料で生きながらえながら犬死していく彼>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.4

ベトナム戦争時代の話であるにも関わらず現代のアメリカを表現しているのかと錯覚するような作品だった。調べてみると大統領選挙の直前に上映されたらしく、そこに何かしらの思惑があるのは明らかで、本国で話題にな>>続きを読む

フランケンシュタイン(2025年製作の映画)

3.4

デル・トロ監督の異型愛をひしひしと感じる作品。その外見ではなく内面に秘める人間よりも人間らしい繊細さと哀しさを訴えることによる共感、そして救済は彼の作品に共通している。
作中に鏡が多用されることからも
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.8

劇場で観たときは謎の日本語字幕無かった気がするけど気のせい?
スコセッシ作品ではギラギラした男の生き様がよく描かれるが今作はその先にある、全ての終わりに見る世界が描かれている。結局人生の答え合わせは最
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.8

政治にも資本主義にも一般市民にも全方位に中指を突き立てていくスタイルのブラックコメディ。笑えるのに上手く笑えないのはフィクションの皮を被ったノンフィクションであることに嫌でも気付いてしまうから。
馬鹿
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