映画は小さい頃からよく観てきたと自負しているが、スパイ映画にはあまり興味がなく敬遠していたものの、ダニエル版の「カジノ・ロワイヤル」でハマって、過去のシリーズも遡って観たし、「ミッション:インポッシブ>>続きを読む
言葉が纏まらない
それほど思慮を巡らせる映画だ
血縁や社会、体裁、期待、義務、しがらみ…
そういった“繋がり“という呪縛から解放されて、想いやアイデンティティ、エゴがもっと輝いて翔ける世界がいつ>>続きを読む
全てのオトナの通過儀礼であったティーンエイジ・アイロニーで生じる縺れを25年かけて解く作業を続けたエヴァシリーズ。
解いていくうちにまた縺れたりもしながら、終に一本の直線の糸を成型し、縺れていて気づか>>続きを読む
画、だけは美しい。
アドリブ多用したためか、凝った編集のせいか、時系列も心情視点も散らばり続けるので芯を捉えにくい。
意図がボヤけて、観終わったら全てが解けてしまった。
シン・ゴジラ以降、顕著に政府や政治家への非難を盛り込んだ作品が増えた。
この作品もその一つ。
コロナが齎した“社会の野焼き”が露わにした、長きにわたる日本社会・日本経済の構造的失陥を描いた作品を観て>>続きを読む
あの年代の子供に正確な演技を求める事は難しい。
演技という概念もそもそも持ち合わせてはないだろう。
それでも心を動かされるのは、彼女たちの想像力の純粋さにとてつもない力があるからではないかと思う。>>続きを読む
『メメント』のノーランが帰ってきた感じ。
難解という感想も散見されるが、ラストの伏線回収できっちり納得できる。
逆行の理論と装置で掻き回されるが、ストーリーは『メメント』のほうが難解。
時間のギミッ>>続きを読む
おもしろい。
熱狂的なファンからすれば、この感想は不謹慎かもしれない。
けれど、この社会の縮図とも言える、この集団が持つ問題を正直に(全てではないだろうが)見せたと感じた。
強烈な個性は素晴らしい>>続きを読む
演劇に限らず、音楽や文芸、創作・アート全てにおいて、現実との乖離が生じて(むしろその乖離こそが価値を生むことも多いのだが)、創作者側は時に“夢現”となり、実社会とそぐわない状況に陥ることもある。
“>>続きを読む
私はやはり、片桐健滋という監督が好きだ。
映画作品2作目にして“片桐ファミリー”とも言えるキャストたちも『ルームロンダリング』で魅せたのとは全く異なる顔でスクリーンに存在していたが、映画全体として作>>続きを読む
『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』『IT』などの伝統的系譜を継ぐスタイルに、過去作へのオマージュも込めて。
伸びる影は『呪怨』シリーズ、主題歌は『ダーク・シャドウ』でクロエ・グレース・モレッツが>>続きを読む
まず率直に、まさか満席に近い観客がいたことに驚いてしまった。
前作のトラウマホラー『へレディタリー/継承』で魅せた、ホラーの新しい地平線(コレは『霊的ボリシェヴィキ』と同様の感覚)が、映画の未来や期>>続きを読む
100余年前、実際にあった戦争において実際に存在した役割を担った人間がいた。
それが監督の御祖父であったことで、リアリティの濃密さは相当なものだと思う。
ロケセットや美術はもちろん、際立ったのは演出で>>続きを読む
読売演劇大賞で最優秀作品賞、最優秀主演女優賞(小池栄子)を受賞した、ケラさんの舞台。
昭和三部作と同様に戦後日本の混乱期を背景に、きっとこういうことたくさんあったんだろうな、という“嘘から出た実“なス>>続きを読む
敬虔であるとはどういうことなのだろう?
「うやまい、つつしむこと。」
それが軸にならないと、生きていけない人もいる。
それが足枷になって、窒息する人もいる。
信仰とはそもそも、自由意志によっ>>続きを読む
これほどに英語という言葉の強さというか激しさを感じる作品はなかった。
冒頭の一節にもある通り、武器なのだな、そう感じた。
戦争では火器や人身が武器となったが、チャーチルの武器は言葉だった。
彼にと>>続きを読む
かつての衝撃はない。
Jホラーが超えられない壁を垣間見た気がする。
「霊的ボリシェヴィキ」が新しさを見せてくれたが、本作はそういう感覚がない。
映写機(プロジェクター)による表現は良かったと思う。し>>続きを読む
点数低いのは理解できる。
文化圏の問題が大きい。
地獄の階層やアスタロトがどういう悪魔なのか、グリモワールに精通していないと理解できないことが多い。
ただ何にせよ、信仰や思い込みのような心理的呪>>続きを読む
是枝作品『万引き家族』に続いたパルムドール作品である今作は、またもアジアの格差社会が舞台。
カンヌが、世界が、格差問題を由々しく捉えていることの表れでもある。
『ジョーカー』もまた然り、である。>>続きを読む
確かに岩井俊二総集編といえるエッセンスに溢れた作品。
篠田イズムの継承者、神戸千木さんのカメラも素晴らしい。
岩井俊二というリアルなファンタジーの作り手に必要不可欠なカメラワークを真に理解しているよ>>続きを読む
日本のフィルムノワールの巨匠となった白石和彌監督。
白石監督が描いた歪な家族は、それぞれがその歪さとそれぞれの対峙の仕方で付き合ってきた。
葛藤、逃避、隠遁。
どうやっても過去の事物という亡霊は、遠>>続きを読む
まあ、ストーカー犯罪ものは昨今、すでに飽和状態ではあるから、目新しさやセンセーショナルな部分は全くない。
しかし、ユペール姐さんに帯びる不穏さや狂気は今でもなお澄みきっている。
女優としての強さは未>>続きを読む
天才。
天から与えられた才能。
そうでもないかもしれない。
環境、境遇を起因に発せられたパワー。
それを認識して、強く意識した者だけがその才をアウトプットできるのかもしれない。
それでも天から与えら>>続きを読む