高校生くらいの時に一度観て、その時はなぜタイトルが「CURE(癒し)」なのか分からなかったけど、今回観直してようやく理解できた。そして、その暗示する意味に恐怖する。
女を買ってもドラッグをキメてもスケボーに乗ってもヤクザを刺しても、結局どこにも行けずにくたばるのみ。
2000年という大きな区切りを前に、「渋谷」という名の荒野にナイフの雨が降る。
ジョニー・トーのフィルモグラフィ的には、『エグザイル/絆』を経ての、この境地。美しいカット・シーンが雨あられの、何とも上品で優雅な映画。
マーロン・ブランド(今作でゴールデン・ラズベリー賞)とヴァル・キルマーが怪演、というか、もはや怪物の領域。
悪夢のような90分の後の、これぞSFなエンディング。ボクは好きです。
後半、あさま山荘へ場面が移ってから俄然面白くなる。山岳ベースでの前半は、端から見ていると滑稽なほどの「自己批判」と「総括」の嵐。水筒の件と軍事訓練シーンはあまりに馬鹿馬鹿しくて思わず笑ってしまった。「>>続きを読む
バカンスの最中に起こった雪崩をきっかけに、不穏な空気がウイルスのように人から人へ連鎖していく、ホラー風味のブラック・コメディ。ロマン・ポランスキー『おとなのけんか』を思い出したり。
この頃からトム・クルーズはトム・クルーズ。もちろん良い意味で。原作・脚本がアーロン・ソーキンとは、今になっては意外に思える。
Gang Starr「Moment Of Truth」が流れ出した瞬間が個人的ハイライト
登場人物が自身の行動について、常に正しいのか間違っているのか問うているけれど、もしかすると神すら答えを持っていないのかもしれない。何をやっても後悔の残る、正解の存在しない世界。アメリカにおけるキリスト>>続きを読む
残酷で無慈悲なこの世界では、正義や法など何の役にも立たない。善悪というより、本来あるべき姿と現実との間の絶望的な距離の話。
ベニチオ・デル・トロが絶賛されてるけど、ジョシュ・ブローリンの老獪な演技の>>続きを読む
撮影や良い意味でベタなホラー演出は良かっただけに、早い段階でオチが読めてしまったのは残念。
スピリチュアル・カンフー映画の最高峰。公開から40年近く経っても古びないのは、アクションの完成度の高さ故。ウータンとタランティーノが好きなら、迷わず観るべし。
自分でもホントにどうでもいいと思うけど、映像(?)になって宇宙船内を案内するジョー・エルが、モンスターエンジンの「神々の遊び」コントに見えて仕方なかった
ネオ・ノワールの佳作。『シンプル・プラン』もそうだけど、強欲から生まれる人間の企ての何と脆く愚かなことか。
ガンアクションも凄いけど、一番凄いのは「アメリカに双子の兄弟がいる」とかいう無茶設定。こんな裏技、使えるのはジョン・ウーだけ!
「サイケな『マトリックス』」って感じのぶっ飛んだ後半が面白いだけに、前半のハリウッド批判は蛇足だったのでは、と感じてしまう。贅沢な注文ですが…。
久々に見返したら、ラストのアクションとかデル・トロお馴染みの気持ち悪いクリーチャー&ロン・パールマンとか、なかなか見応えあった。
あとゴスっぽいメイクのドニー・イェン、ちょっと面白い。
ベネット・ミラーらしい淡々とした演出が続き、抑えに抑えた感情がラストで溢れ出る。何ということもないポップ・ソングにこんなに心を動かされるとは…圧巻です。
イアン・カーティス一人というよりも、奥さんをプラスした夫婦の物語。破滅的な『博士と彼女のセオリー』。
マシュー・ヴォーン監督作では一番好き。『キック・アス』以降の露悪的な感じがなく、スタイリッシュにキマってます。ダニエル・クレイグが一番カッコいい映画であるかもしれない。
前作でジェニファー・ローレンスをミスティーク役にキャスティングしたのは大成功。ただその悪影響というか、ミスティークがストーリー上であまりにも鍵を握りすぎてるような…。
ミスティークは最初のX-MEN>>続きを読む
『八仙飯店〜』同様、この映画もエロとグロとデタラメ(これ重要)とアンソニー・ウォンで構成されています。
やってることはムチャクチャなんだけど、ここまでオリジナリティのある映画もなかなか無いので、一見>>続きを読む
この映画の何が狙いか、分かるまではもう不快で仕方ないけど、一旦分かるとちょっと笑えます。ホントにちょっとだけですけど。胸糞悪い映画であることには変わりなし。
バットマンやスーパーマンのキャラクター描写がどうこう以前に、色々詰め込みすぎて映画自体がガタガタになっててちょっと話にならない…。
これを見てしまうと、『アベンジャーズ』をバカ映画にしたMCUの判断>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
事件にのめり込んでいくあまりに周りが見えなくなる主人公、って珍しくなく、『プレッジ』や『ゾディアック』なんかは上手くやってた印象。で、それに比べると少し弱いというか、狂気が足りない。わしは狂気を見たい>>続きを読む
これぞサム・ライミ!待ってました!!って叫びたくなる感じのホラー映画。バッチリです。
C3POが出てきた瞬間から、一気に「うおお、オレはSWの最新作を見ているんだ!」感が出てくる。スタッフやキャストの、ルーク三部作への愛を感じる一作。
過去のTVシリーズや映画を完璧にチェックしてる生粋のトレッキーから全く事前知識の無い一見さんまで、どんな人でも面白く見られる。最近の数あるリブート作品の中でも、最高の作品の一つ。ここからまた全てが始ま>>続きを読む
『フロスト×ニクソン』に続く、ロン・ハワードによる男共の骨太映画。アドレナリン出まくり。
『タクシードライバー』、ではなくハンター。でも間違いなく意識はしてるでしょう(筋トレシーンやアンソニー・ウォンが部屋で一人で喋ってるシーンはモロ)。
あと『わらの犬』のポスターにある「Everyon>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
リアリティや再現性を重要視した映画(エンドロールの比較を見よ!)にも関わらず、革命防衛隊が飛行機を追いかける、みたいなあり得ないシーンがあってちょっと萎える。
オスカーは獲ったものの、そこまでの作品>>続きを読む
自分の中で予告編詐欺映画ワースト1。デンゼル・ワシントン演じるパイロットが、自らアルコール依存症であることを受け入れ、治療に至るまでを描いた話。
この手の治療やセラピーには宗教(というかキリスト教)>>続きを読む
必殺仕事人 in USA。アントワン・フークアの手堅い仕事。デンゼル・ワシントンがロシアン・マフィアのバックボーンを語るシーケンスが好きです。クロエちゃんの使い方が贅沢。
一昔前なら黒人のギャングが幅を利かせていた所がヒスパニック系に取って代わってたり、ドラッグ絡みの悲惨な犯罪が出てきたり、今のアメリカの犯罪事情の変化がよく分かる。