都部ななみさんの映画レビュー・感想・評価

都部ななみ

都部ななみ

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

3.3

前作より面白い。漫画的なケレン味ある場面には乏しいが欠点はそこだけで、娯楽性を底上げた続編としての割り切りは大正解。爽快な高速表現は画面に映えるし、今回はそのロケーションも豊富。ジム・キャリーの演技に>>続きを読む

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)

3.2

同性愛を嫌悪する刑事が冥婚によりゲイの幽霊と繋がりを得、互いの問題解決の為に奔走するコメディ映画。アジア圏では同性婚が唯一認められた台湾ならではの痛快な喜劇は楽しいが、題材に対して尺がやや長くて、設定>>続きを読む

名探偵コナン vs. 怪盗キッド(2024年製作の映画)

3.0

五稜星公開直前の総集編映画。
コナンとキッドの因縁は今回重要でないので、これ見るよりから紅見る方が予習には向いてるけど名作選出だけあり空中歩行を巡る回は流石に一定の面白さが保証されている。構成が素直す
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

野心的な秀作。
セカイ系を思わせる個人と世界の歪な接続とそれによる失われた現実感への哀愁。行き詰まる少女達の物語とSFの旨味を投じた世界観が次第に接触する二部構成は面白く、主演二人の感情的な演技の応酬
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

2.3

紺青と緋色に並ぶ愚作。情報が複雑化した脚本は薄目に見れば充実と錯覚するが、実態としては有機性を欠く迂遠な場面の連続に終始している。毛利の言葉を借りるならば、一度に色々起きすぎで適切な情報の交通整理が成>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

3.6

良作。SFスリラージャンルに含まれる概ねの魅力を無駄なく圧縮していて、未知の生命相手に宇宙基地で孤軍奮闘する緊張と閉塞感の充足、”この映画は『エイリアン』など著名な作品の再生産である”と妥当性のある指>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.3

菜食主義者の肉が美味い!!
風刺を孕んだカジュアルなカニバリズム映画として充分な痛快さがあり、記号化された配置に露悪を感じるものの、リズミカルな編集と根源的食物連鎖を軸とした堂々たる語り口は風通しが
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.0

ジブリ映画史上最高のヒロインが登場する とても大事で大好きな映画。従来のジブリにある壮大な世界観や使命感を帯びた目的には欠くが、瑞々しい学生達の遣り取りと情緒的で郷愁を煽る進行は無二で、二人きりの東京>>続きを読む

トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.0

普通に面白い。ベイ監督時のような偏執的な雑味や大迫力には劣るが、堅実な筋書きを堅実に痛快に盛り上げる。悪く言えば残る物は少ない映画だが新三部作の幕開けとしては申し分なく、尺も含めて手軽に見れる大作。C>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

2024年公開映画暫定ベスト。
原爆の父の産みの苦しみを噛み締める至極の180分。
ノーランが作家性として趣とする時間軸の巧妙な交差と共感性の高揚その集大成的な結実への興奮、そして科学者ひいては人類の
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