湿疹さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

湿疹

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コミッサール(1987年製作の映画)

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女性の赤軍将校が懐妊して、出産のために武力で脅して押しかけたユダヤ人の家庭で子を産み、家庭との繋がりの中で母性を体験し母となる……とだけ言うと、図式的な話だが、繊細で霊感的な素晴らしい映像だった。風が>>続きを読む

アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

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これ観ただけで夏が終わった感がある。音楽がたくさんあって、終盤は特に、ずっとラストショットみたいな映画だった。音楽鳴りはじめて暗くなるところで3回くらいこれで終わりか……と思った。バントの生演奏とか、>>続きを読む

パパラッツィ(1963年製作の映画)

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『軽蔑』のロケ中のブリジット・バルドーを四六時中取り巻くパパラッチをパパラッチする映画。バルドーの雑誌の表紙を高速で次々と映すところとか、リズミカルな編集でとってもかっこよかった。パパラッチにキレるゴ>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

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帽子や銃や布など確かにいろんなものを投げていた。婚礼のような逢瀬も因縁の決闘も重要な儀式は全部早朝に起こる。早起きできない人間には大事な儀式は体験できないんだろうな。六頭馬車の迫力がすごかった。ロング>>続きを読む

愛していたが結婚しなかったアーシャ(1967年製作の映画)

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60年代のコルホーズの狭い農村社会での架空の人間関係の話、かと思えば、進行するフィクションの中に、ドキュメンタリー性のある匿名の人間のカメラに向けたような向けてないようなお喋りが急に挿入されたり(こん>>続きを読む

Afonya(原題)(1975年製作の映画)

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ソ連レトロな商業映画ながらダネリヤの軽妙なテンポ感、建物と人間を捉えるロングショットなどが素晴らしい、丁寧な佳作。やっぱり色彩がおしゃれだな。ずっと観てられる。

作戦コード“ウィ”とシューリクのその他の冒険(1965年製作の映画)

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ソ連のコメディの笑いはよくわからないなと思ってたけどこれはめちゃくちゃかわいい。三部構成。第一部はスラップスティック全振りでトムとジェリーもびっくりの黒人表象。ジャック・タチのようなゆるさとアイロニー>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

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車を倒してみたり、変な夢を見たり、ミュージカルになったり、カサヴェテスの中では相当勢いがある。変な演出をしてやろうという気概を感じなくもないが、結局変な夢を見るジーナ・ローランズが素晴らしいんだな(他>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

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暗すぎてよく見えないノワールっぽさと照明や車などのカラフルさの感覚がとてもいい。裸の女がたくさん出てくるのに女体に頼りすぎ感がない。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

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イメージフォーラムの後の回が満席だったので自宅座で観た。今回は特にジーナ・ローランズの表情演技が素晴らしかった。恋人や配偶者に俺の仲間だよって男友達たくさん紹介されたときの、戸惑いながら見られてる雰囲>>続きを読む

暴行(1950年製作の映画)

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某先生が褒めてたので観た。確かに空間感覚が素晴らしいです。解放的な丘の上で抑圧していたトラウマが蘇ってしまったときに降る坂道の長さ。どうせ周囲にセカンドレイプされるんだろと思ってめちゃくちゃ途中まで暗>>続きを読む

シルヴァー・シティー・リヴィジテッド(1968年製作の映画)

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最後のショットの、雨の日の高速道路で、濡れた道に反射して四つに増えた車のヘッドライトが群れみたいになってるあたりから、なんとなく面白くなってきたぞと思ったら、終わってしまった

幸せな人生からの拾遺集(2012年製作の映画)

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ナレーション少なめで映像の構成自体にリズム感のあるメカス。言いようのない多幸感。これくらい夏が光に溢れた幸福な季節だったらいい……

アモーレ(1948年製作の映画)

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二話目の山岳斜線ダイナミズムが少しストロンボリっぽかった。

儀式(1971年製作の映画)

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心内語多すぎ、女の身体で代理戦争すんなという気持ちで観てたけど、ゴースト結婚式からの酔っ払って祖父を理想の日本人女性に幻視してレイプしようとするあたりだけ急に面白かった。なんかうるさいヴィスコンティみ>>続きを読む

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

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悲しい。明らかに自分を差別・抑圧してくる身近な人に、私があなたのことを差別したことある?って聞かれて、はいしてますって答えられる人なんていないよな。どうせそういう無邪気に有害な人って、あなたは不当に私>>続きを読む

少年、機関車に乗る 2Kレストア版(1991年製作の映画)

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こちらも本当に素晴らしかった。汽車という大きな動きに色んなものが並走する感じ。山間の狭い線路で休んでいた馬が、汽車につられて走り出す足音にパーカッションの音がシームレスにかさなっていくところとか、素晴>>続きを読む

ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

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とても面白くて没入で観てしまった。面白いとしか言いようがない。飛行機、車、トラック、馬、汽車など、複数の移動手段が理性的な文脈より先に間断なくフレームインし続けてくる感じ。とても質の高いアメリカ人じゃ>>続きを読む

東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

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これなかなかいいんじゃないか。図式的にわかりやすい話ではあるが、映画的感覚が冴えている。私も走りたくなった。全部字幕を脳内で読んでるみたいな台詞。本当に当時の学生運動してた人たちってこんな会話してたの>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

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全部怖い。幻覚と喋ってカタをつけようとしても、次のショットではなぜか夫のカメラが毎回こちらを向いているところが一番怖かった。庭に逃げたらぽてぽてしたキャバリアが追いかけてくるシーンだけは怖くない。

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

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素晴らしかった。ズームインとアウトのタイミングの妙。一体一の関係性に閉じない動き続けるカメラ。マーロウさんのことはよく知らないけど、他の映画でこれ以上かっこいいことはないだろ。行く先々で入り口の壁でマ>>続きを読む

四十二番街(1933年製作の映画)

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バークレーのところ短くて悲しい。「あまり身体を酷使するなよ、機械じゃないんだから」って、皮肉で言ってるのか。