ベンガルの人は子供の頃からタゴールで歌を学び、タゴールの哲学とともに生きている。
母でも妻でもなく一人の人間として生きることは簡単なことではない。家族は身近な存在だからこそ役割を求めてしまう。自分のことは自分が話したいときに話せばよい。
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不況に見舞われた97年シンガポールの一般家庭の様子が窺える。やんちゃな一人息子の世話係として雇われたフィリピン人のメイドは、1歳にも満たない子を置いて出稼ぎにやってきた。休みの日には違法労働を行う。父>>続きを読む
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日本占領化のマレーシアで強制労働に従事していた主人公の妹は日本兵の性欲処理に使用され殺された。姉妹はかつて京都の天龍寺を訪れたことがあり、妹の願いは日本庭園を作ることだった。その願いを遂げるため、山で>>続きを読む
欧米の人間がインドを描くと偏見にしか見えない。苦痛。理解したいとも思わないし、その価値があるとも思わない。
熱量がとんでもない。火薬の量も尋常じゃない。部族の仲間を救うために戦う男と祖国を救うために戦う男の友情。
実体のないものに人は狂わされる。それは花であったり愛であったりする。人は悔いて生きるもの。
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20年前に別れさせられたユンヒとジュン。ユンヒは韓国で家族を持ったが、夫と別れ、娘と二人で暮らす。娘に離婚の理由を尋ねられ彼は、彼女といると寂しいと答える。娘が母と暮らすことを選んだのは、母の方が寂し>>続きを読む
マイアミの黒人、いじめられっ子で母親はヤク中。売人に生き方を教わる。友人との接触による性への目覚め。やり返して刑務所送り。アトランタで鍛え直し、かつての友人と再開。
田舎のカトリック校を嫌い東海岸への進学を望む女子高生。付き合う友人や男が変わったりするのも年頃の機微。母親とは愛し合いながらも上手く行かない。自分のあの頃と重なる。あの頃を経て今はどうか。
ポーランド系で朝鮮戦争で功績を上げ、ミシガンで自動車工を営み、フォードの72年製グラントリノを愛する老人と、モン族の隣人との友情物語。人を殺した罪の意識を持ち続けた男が、一度も引き金を引くことなく守る>>続きを読む
映像はコメディタッチだが、結構グロくブラックユーモア多め、話も重い。好みではない。
主人公はベルファストで暮らす映画やサッカーやとおもちゃが好きなごく普通の少年。カトリックが多く暮らす地区で、プロテスタント過激派が攻撃をしかける。抗争が続く中、彼は祖父母とも仲良く、隣人は皆知り合いで>>続きを読む
アイルランド史を知らないと難しい。イースター蜂起から独立戦争を経て条約締結、共和国樹立に導いたが、内戦が勃発し故郷で命を落とす。過去の同志が敵となって戦うのは苦しい。
田舎の港町で暮らすWASP中流階級の暮らしぶりがよく分かる。悪夢のような過去があり地元で暮らすことはできない。ジョージの優しさが救いだ。なぜ兄は彼を後見人に指名したか。ボストンにいた頃より些か表情を取>>続きを読む
言語は文明の基盤であり武器である。サピアウォーフの仮説を応用し、時間を超える言語を習得することで時間を超える。他者との接触の第一歩は言語による意思疎通だった。
朝鮮高校とチョッパリが喧嘩に明け暮れていた時代。朝鮮人は日本人に土地を支配され強制的に連れて来られた。国は二つに分断され、祖国に帰りたくても帰れない。どうしようもないやるせなさにギターを壊すしかない。
博士の発明で過去へタイムスリップ。過去が変わると自分が消えてしまう。タイトル通り未来へ帰る物語。
ロシア戦線に行った夫の帰りを待つが、戦後8年経っても戻らず、ロシアまで彼を探しに行く。かつて雪原の戦地であったその土地には今やひまわり畑が広がっている。夫が生きていると信じて探し回り、ついに在処を突き>>続きを読む
調香師と運転手の物語。全く異なる二人が互いに刺激し合い人生は転がっていく。
イタリア系移民の裏社会、シチリアンマフィアを知るために欠かせない映画。家族愛の強さが窺える。静かな恐ろしさを感じる。
別れの辛さは、相手を思う心が足りなかったと悔やむが、相手は自分のことを思ってなどいないこと。失恋した二人が電車で出会いウィーンを歩く。終わりがあるからこそ盛り上がるのだろう。
地方中流家庭出身者と都内上流家庭出身者、同じ東京で暮らしていても住んでいる世界が異なる。違う階級の人とは出会わないようになっている。だが地方で生きる人々と東京の上流で生きる人々は互いに狭い世界で生きて>>続きを読む
父から受け継いだバラ園を守り、バラに人生をかける女性。大企業に顧客を奪われ経営は傾き、季節労働者も雇えない。そこへやって来たのが復帰支援の者たち。バラを交配し新種を生み出すため奮闘する。笑顔が増えるの>>続きを読む
尾道から、東京で暮らす長男らを訪ねる老夫婦。長男と長女にはそれぞれ家庭があり、仕事が忙しく相手してあげられない。代わって次男の未亡人が快く面倒を見る。辛い思いをした人ほど優しくなれるのだろうか。実の子>>続きを読む
コーンと大豆に支配される現代人。食品は工業製品。技術進歩のおかげで地球上でこれだけの人間を賄えているのもまた事実であるため、批判して済む話ではない。
確かな親子の愛を感じる。子を思うゆえにこの家族はこうなった。子は親の愛を受けて育つ。他人が土足で踏み入れる領域ではない。
何が物語で何が現実なのか分からなくなる。それを含めての物語なんだろうけど。文字を読める者と読めない者、家を持つ者と持たざる者、金持ちと貧乏人が結婚した方が社会は良くなるというのはある種真理なのだけど、>>続きを読む
地震で多くの家族が亡くなっても、生き残った人は強く生きていく。震災後の土地にずかずか入っていって話を聞くのは無神経では。息子はサッカーの話しかしない。みんな淡々と今を生きている。
覆い被さる虚無。全てのシーン全てのセリフに意味がある気がする。相性が良いと思い込み、相手とそして何より自分と向き合うことができなかった結果。
子供がとにかく純真で健気。子供の話を真面目に聞いてくれる大人はいないんだよな。怒られなくてよかった。なんで大人になると子供の気持ちが分からなくなるんだろう。
不器用な人生の悲惨な人生。時代の流れとともに少しずつ人生は壊れていく。自分を見てるみたいだった。
男らしく女らしくではなく、自分らしく生きられる世の中になるといい。