マッティ・ペロンパーの写真が飾られてたのが哀愁を感じさせつつ、微笑ましかった。
主人公が記憶を失くす前と後では同じ人物のはずなのに別人かのようで興味深かった。大袈裟なことを言うと哲学に通じる部分があるとも捉えられるが、単にカウリスマキのシュールの笑いを引き起こさせた。壮大に見えて案外ちんけな設定のギャップにやられた。「8×8」のくだりがめちゃくちゃ好きだった。印象深く残っているのはそういったシュールな演出だが、根底には「世界一幸福」ともいわれるフィンランドの中で日の目を浴びない労働者へのまなざしがみられた。全体を通して「ギャップの映画」と感じた。笑いを起こすこともあれば、シリアスなシーンもあった。久しぶりに映画を鑑賞出来てとても嬉しい！
67（2024）
