Uさんの映画レビュー・感想・評価

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終わりの鳥(2024年製作の映画)

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死と対峙する娘、死を逃避する母。
"死"を可視化した鳥の名はデス。
不思議な三角関係が辿る奇天烈な展開に驚嘆しながら、逝ってしまう側と残される側、どちらの救済にもなる死生観に涙する。
死を描きながらも
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アンジェントルメン(2024年製作の映画)

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監督がガイ・リッチーで、MI6の前身と言われる特殊部隊の作戦を描き、「007」のモデルとなった人物をヘンリー・カヴィルが演じるなんてオタクの夢が詰まった作品が面白くないわけがない!
非公認、非公式、非
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

タイムトラベルの仕組みだったり、展開的にツッコミたいところ(もっと過去を変える為に頑張れたじゃん!とか)は多々あったものの松村北斗の最後の手紙にしっかりと泣かされた。
ラスト、駈が助からなかったのはこ
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ショウタイムセブン(2025年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

戦争の起きている時代は面白いと話している人が居た。
リメイク元の『テロ、ライブ』の感想で犯人の意思が受け継がれる、一矢報いたなどテロリスト側寄りの感想が多くちょっと怖いなと思っていた。
本作のラストで
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死に損なった男(2024年製作の映画)

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疑似親子のような、イマジナリーフレンドのような不思議で奇妙な幽霊バディ。
水川かたまりと正名僕蔵のオフビートなやりとりはコントそのもの。
「死ね」っていう言葉が蔓延る世界で生き詰まった人たちへの応援歌
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ハイパーボリア人(2024年製作の映画)

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失われたフィルムを記憶を元に再構築する
虚実が混ざり、アニメが実写を侵食し、史実と陰謀論が曖昧になる闇鍋のようなカオスに呑み込まれていく
複雑に入り組んだメタの多重構造、永遠に続くような旅路の果て、名
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(2025年製作の映画)

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欲望から解放された一面と煩悩が垣間見える矛盾した人間性が愛おしくその余生は魅力的見えるが穏やかな日常は「敵」の出現で一変する。
時空を超越し夢と現実が混ざり合う展開に人生の悲喜を感じたが孤独で狂ってい
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

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キレたら最後、一寸の迷いなく標的を刺しに行く爽快感。
熱殺蜂球の如き怒りの炎が爆発し、巨悪の巣を焼き尽くす。
個人的な復讐が国家レベルに発展し、人間と蜂の社会構造をリンクさせた社会派な側面を見せるもジ
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I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

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映画が好きな自分が好きが滲み出る痛々しさ。
イケてないけど、支えてくれる大人や親友が居る恵まれた環境に気付けない愚かさ。
人を傷つけ、傷ついた、傷だらけの青春。
選ばれず切り捨てられた側に当たるスポッ
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クラブゼロ(2023年製作の映画)

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「洗脳からの解放」という洗脳
善悪の基準が曖昧な世界で小さなイデオロギーが暴走しカルトへ変貌する
環境保全、飢餓、貧困、親子関係、ルッキズム
恵まれた境遇で美辞麗句を垂れ流す表面的で中身の無い"意識高
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ヒューマン・ポジション(2022年製作の映画)

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パステルカラーの風景、小津リスペクトの構図の中にぽつんと佇むアスタの姿はどこか居心地が悪く、ノルウェーの美しさだけではない翳りを感じさせる。
「心の居場所を見つけること」にフォーカスを当て、社会問題に
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ルート29(2024年製作の映画)

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ウェス・アンダーソンというよりアピチャッポン・ウィーラセタクンだった。

ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.5

シマウマとトラウマ、落下と浮遊、悪夢より不条理な現実。
ネットミームの向こう側に実在の人間が生きていることが分からない烏合の衆。
勝手に盛り上がって、勝手に傷ついた自称被害者たちの悪意が伝播し襲い掛か
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ノーヴィス(2021年製作の映画)

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困難への挑戦、一位への執着
何のため?誰のため?
納得するまで止まれない執念という名の自傷行為
観客もチームメイトも恋人も全て捨て置き漕ぎ続ける主人公と緊迫感を煽る音楽に息が詰まる
"力を抜いて"なん
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ソウX(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

テンポ悪っ!

一人一人のゲームの間が空いている割にゲームの時間が3分という短さ。
(セシリアの恋人を誘き出すための時間稼ぎってのは分かるんだけどね)

ジョン目線だと毎回こんなに綱渡りでゲームやって
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トラップ(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

できれば父親がサイコキラーであることすら知らない状態で観たかった。
(よくよく見ると既にあらすじに書いてあるやん)

クーパーの得体の知れなさ、ライブ会場からの脱出劇、脱出が成功してからのレイブンとの
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まる(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「さわだ」が「さわだ」を見つけるまでの物語と監督の思想的な部分(人種差別、労働搾取)がチグハグでまとまりがない。(特に人種差別の話は無理矢理入れました感が強い。

さわだとモーのシーンはどれも良かった
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

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最恐の放送事故を追体験する
70年代に劇中番組が存在していたと錯覚してしまうほどのディテールの細かさ
崩壊した倫理で放送が続行される最悪な状況でもこの先が観たくなってしまう没入感
ファウンド・フッテー
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最後の乗客(2023年製作の映画)

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55分間に込められた10年分の祈り
前半の違和感は後半で感動へと形を変える
「忘れたい」気持ちと「忘れてはいけない」気持ちの狭間で彷徨う心に前を向いていればどちらでも大丈夫と手を差し伸べる優しさ
大切
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

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「ことば」を最低限に抑え、スケートという「言語」で会話する
月の光のような暖かい黄色、澄み切った氷上の青色
愛おしくも脆く危ういバランスで立つ三重奏が崩れる雪解けのような儚さ
無垢故に残酷な子供とまっ
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

ジャパンプレミアにて。

全員狂人。
嫉妬、復讐、暇つぶし。
雲のように湧き上がる無秩序な悪意の群れが実体を得て襲いかかる。
日常がじわじわと侵蝕されていくサスペンス的な展開から淡々としたドライなガン
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エターナルメモリー(2023年製作の映画)

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消えていく過去、刻まれていく未来
生きたいという願い、死にたいという祈り
記憶の消失、自己の喪失
25年間育まれてきた愛の記録を再構築して、映画という媒体を介し2人の愛は永遠になる
これは紛れもなく愛
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モンキーマン(2024年製作の映画)

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インド神話×社会派リベンジアクション
吹き消されてきた灯火たちの業火で名も無き者はモンキーマンへと生まれ変わる
憤怒の拳が腐敗した政治を、社会を、カースト制度を叩いて砕く
神がお前を許しても、俺がお前
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フォールガイ(2024年製作の映画)

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身も心もどん底に落ちた男
身体の痛みよりも辛い失恋
身代りから主人公の人生へ
一発逆転を賭けた一世一代、世紀のスタント
VFXに頼らないこれでもかと詰め込まれた超ド級のスタントアクションの数々
全ての
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夏の終わりに願うこと(2023年製作の映画)

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カタツムリ、盆栽、インコ、猫、人間。
生命は廻り、世界は終わらず、生活は続く。
父親に会えず疎外感を感じる少女の冷めた目線。
忙しない親戚たち、誰の為か分からない空虚なパーティーをドキュメンタリーのよ
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時々、私は考える(2023年製作の映画)

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幻想的な死の空想に浸る
死にたい訳じゃないけれど
あなたの事をもっと知りたい
でも私の事を話すのは苦手
だってつまらない人間だから
そんな内省的な世界からほんの少し手を伸ばした先の淡い関係性の変化
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ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

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現実逃避の旅の果て、辿り着いた流れ者たちの巣窟
自覚なき差別と蔑視、品性下劣な酒池肉林の宴、限界を越えた怒りの炎
ハラスメントが日常として根付く異文化の街で、彼/彼女らは自らの行いを恥じる事も、隠す事
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#スージー・サーチ(2022年製作の映画)

4.0

病床に伏す母親の言葉を支えに独自捜査で行方不明になった大人気インフルエンサーを救出!
一躍有名人となり助けた彼とは良い雰囲気
そこに忍び寄る不穏な影
果たして彼女の恋と事件の行方は!?
…ところで、ス
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

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消えた恋人を追い求め、赤い糸に導かれるように彷徨う異邦人
過去と現在、幻想と現実、冥界と現世がシームレスに溶けて混ざり合うマジックリアリズムな世界観
奇妙な旅路の果てに辿り着く神話的でロマンチックなラ
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お母さんが一緒(2024年製作の映画)

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コンプレックスを抱えた長女、何かを諦め流されるように生きる次女、我慢することを覚え良い子でいる三女
母親への愚痴がお互いの不満に変わり、言葉で殴り合う三巴の大喧嘩
解放された哀と怒りの迫真に思わず笑っ
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ブリーディング・ラブ はじまりの旅(2023年製作の映画)

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不器用な名もなき親子の愛と再生の旅
過ちと向き合い娘に過去の自分を見る父
幸せな思い出と埋められない寂しさの間で葛藤する娘
お互いに抱える傷口から流血するほど激しくぶつかり合い、歩み寄ることで身体に流
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ふたごのユーとミー 忘れられない夏(2023年製作の映画)

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シェアできない初恋の彼
Y2K問題、両親の不仲、心身の変化
不安、孤独、嫉妬など、思春期に直面する初めての感情の揺れを繊細に描き、ずっと一緒だった二人の自己が確立していく
あなたと向き合うことはわたし
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

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最高傑作!
心まで置いてけぼりにされた孤独な魂たちが寄り添い手を取り合う奇跡のような二週間
人生の歓喜と悲哀が全て詰まっていた
この世界は複雑でつらいけどこの日々を思い出せばきっと生きていける
家族で
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蛇の道(2024年製作の映画)

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誰に、なぜ、娘は殺されたのか
復讐に縋る男と、協力する女
フランスとは思えぬ曇天の空、色の無い景色に映える深い緑
蛇のような瞳の奥に見え隠れする殺意が復讐を加速させる
原作のシュールさはそのままに登場
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