Uさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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メドゥーサ デラックス(2022年製作の映画)

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頭皮を切り取られた遺体、嘘と疑念にまみれた容疑者たち、探偵不在のワンショットミステリー
群像劇で真相に迫る臨場感、アーティスティックなビジュアルとカメラワークのセンスが抜群でクライマックスからエンドロ
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

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承認欲求モンスターの暴走だけではない歪んだ社会構造をシニカルに描く
嘘を重ね、妄想が現実を侵食し、引き際が分からなくなる恐怖
上っ面の多様性とエゴイストな人々で構成されるグロテスクな社会
彼女を病気だ
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

5.0

ずっと、この作品のことを考えてしまう
どこか死を感じさせる冷たい色彩に気付くとすっと引き込まれ、水底へ沈んでいく心地良さと恐ろしさが同居する不思議な感覚を覚える
沈んでいった奥底で今泉力哉作品の骨子で
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

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シリーズ最高傑作!
4作目にして尚も進化を続け、こんな魅せ方もあるのか!と度肝を抜いてくるアクションの応酬
ケインとのライバル関係やトラッカーのキャラも良く、169分全く飽きが来ない
何よりも1作目か
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私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

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嫉妬に飲み込まれ理由なんて忘れるくらい激しく嫌悪しあう
しかしその憎しみが二人を繋ぎ止めている皮肉
お互いの視点から見えてくる姉弟だけではない複雑な家族のかたち
これだけ苛烈な憎悪を描きながらも垣間見
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

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爆発事故で時が止まり、変化が悪とされる閉ざされた町
愚直で衝動的な"恋"に突き動かされる子供と大人たちが持つ生命力が世界を変えていく
演技、作画、劇伴が相まって感情がぶつかり合うドライブ感のあるクライ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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1950年代への愛と風刺
狂気的に作り込まれた世界観に惚れ惚れし芸術作品を観終えた後のような多幸感
シンメトリーな構図もパステルカラーの風景も真似は出来てもそこに込められた喪失と救済を描けるのは人間だ
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オオカミの家(2018年製作の映画)

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平面と立体が溶け合いシームレスに動き続ける世界はこちら側まで侵食してきそうな恐怖を感じた
ワンカット風の演出がマリアの「悪夢」への没入感を高める
インスタレーション・アートを体験しているようなストップ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

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痛みを失った人類が辿り着いた臓器パフォーマンスは目を背けたくなるようなグロさと官能的な美しさを兼ね備え見る者全てを魅了する
人類の進化とテクノロジーの未来をアイロニーかつユーモアに描いた、クローネンバ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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不協和音と不穏なカットが観客を心を揺さぶる北欧サイキック・スリラー
子供は純真無垢、故に残酷であるという固定概念と向き合い「超能力」を通して善悪の狭間で揺れる子供たちが抱える内面の複雑さを描く
大人が
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

運命的に出会った同じ絶望を味わった二人
師弟であり疑似父子のような関係性は『クリード』のロッキーとアドニスを彷彿とさせる
魂がぶつかり合う横浜流星と窪田正孝のファイトシーンは本物の試合のような臨場感
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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甘くてポップな映像と音楽、繊細でほろ苦い彼女たちの人生がアイスクリームのように溶け合い、生まれた風味は独特で観客の感性をパチパチと刺激する
何気ない日常の中にほんの少しのやさしさとつながりを見つけた時
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

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ユーモアに溢れ好奇心旺盛、でもちょっと臆病でおばあちゃん思い
そんなマルセルの一挙一動全てが愛おしい
彼が実在して見える滑らかなストップモーション、風刺と哲学が詰まった脚本が見事
一歩踏み出した先にあ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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身体中の全神経を研ぎ澄ましても追いつけない情報量の多さ!
何度も観てイースターエッグを探したくなる
小ネタだけではなくスパイダーマンの宿命に葛藤するマイルズとグウェンの物語もしっかり面白い、最高!

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

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冒頭からラストまでフルスロットルで駆け抜けていく
ユーモアと残酷さと家族愛が混ざり合い2時間ひたすら全感情を揺さぶられる
マルチバース作品としての楽しさもあるがフラッシュの能力をフルに活かした設定や超
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

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まっすぐな直達の想いが榊さんの止まっていた時間を動かしお互いの理解者になっていく過程にグッときた
怒れない、怒りが抑えられないとき、寄り添ってくれる人がいる安心感
重い設定をシリアスにし過ぎず個性豊か
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苦い涙(2022年製作の映画)

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アパルトマンの一室で描かれる傑作悲喜劇
他者を服従させながらも神格化したミューズへの愛に溺れ、翻弄され、隷属していく皮肉
エゴイスティックな愛を剥き出しにして叫び狂う姿は滑稽だがどこか哀愁が漂い、その
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Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

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常に怒りに満ちた眼差しを向け、この世の理不尽に中指を立てる
バイクで駆け抜ける為に生まれてきたジュリアは爆音を轟かせ、風を浴びる瞬間に幸せを噛み締め、最高の笑顔を見せる
常識、偏見、既存の枠組みを全て
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はざまに生きる、春(2022年製作の映画)

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純粋で真っ直ぐな発達障害の屋内に惹かれる空気を読んでばかりの春
春が自分に無いものを持っている屋内に一方的な憧れを抱いてしまう心情を描いたのは好印象
光の捉え方や淡い色彩、宮沢氷魚の繊細さと小西桜子の
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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ストロボの中に消えた大好きだった父親との想い出を再生する
テレビやテーブルに反射で映る"見えない顔"はどれも違って見えた
ビデオテープが20年の時を越え31歳の2人を繋げてくれる
ソフィ役のフランキー
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

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忘れようとした過去の逆襲、宿敵の抱える悲哀
IMAXカメラで撮影されたほとばしる汗や歪む肉体を捉えた大迫力なファイトシーンはその臨場感だけでなくアニメから影響を受けた繊細な演出でキャラクターの感情の機
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フリークスアウト(2021年製作の映画)

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第二次大戦下、超人サーカス団がナチスの悪党をぶっ倒す!というエンタメ性と戦争の悲惨さや反戦のメッセージを力強く、マイノリティの悲哀や苦悩を善悪の立場から多面的に描く社会派性を併せ持つ超大作
大迫力の異
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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圧巻
寸分の狂いもなく計算され尽くした不協和音に精神が蝕まれていく悪夢の158分
純粋と傲慢が混在する芸術を愛した権威主義者の転落劇は芸術を産み出すために目を背けてきた功罪を観客に叩きつける
多様性の
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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荘厳な景色に相反する鮮烈な赤いストロボライト、EOの不安を表すような重厚な劇伴
言葉を発することはないが愛してくれた少女へ想いを馳せ、人間のエゴに流されていく姿はどこか人間臭く見えた
愚者の象徴と揶揄
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

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大切なものが欠落していく父の介護、通訳者の仕事、シングルでの子育て、妻帯者との恋
35ミリで映し出される等身大の彼女の姿と淡く温かな色彩が何気ない日常に訪れる愛を感じさせる
忙しなく過ぎる日常は決して
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

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数学を通じ韓国の抱える社会問題を紐解く
「答えを導く過程が大事」「間違った問いから正しい答えは出せない」という数学哲学は窮屈な社会を生きるヒントを教えてくれる
心が震える瞬間の演出、数学と音楽が奏でる
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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冒頭のカットから監督のセンスが光る
音楽やポップな色使い、アート系の演出が独特でモンゴル映画に抱いていたイメージをがらっと覆される
避けられがちな"性事情"についてオープンに触れていくことで世代を超え
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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流れるダンスミュージック、街灯に揺れる紫煙、画面越しに伝わる監督の80年代パリへの憧憬
小鳥のようなタルラと繊細なエリザベートが抱える弱さや孤独を深夜ラジオが繋ぎ「家族」になっていく過程が美しい
眠れ
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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

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運命の恋に落ちた2人が呪いで外見を変えられてしまう現代のおとぎ話
すれ違う恋、美しいクタイシの街並み、子どもたちの笑顔、そして犬の日常
この不思議な空気は初めてゴダールを観た時の感覚に近い
映画の起こ
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