マサさんの映画レビュー・感想・評価

マサ

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地獄(1960年製作の映画)

4.0

導入はノワールっぽい感じで始まるけど、ストーリーとかよりも雰囲気で押し切っていく悪夢的なセンスがカッコいい。そういうクールさで進んでいくかと思いきや中盤、思わず笑っちゃうくらいの怒涛の転調。あとは地獄>>続きを読む

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

4.0

ある平凡な男が体験する悪夢のような一晩の話。リンチ的というか、人物も状況も掘り下げられることなく追い立てられるように話が進んでいきますが、ストーリーと演出の精巧さで中弛みなく飽きません。なにより都市の>>続きを読む

JLG/自画像(1995年製作の映画)

3.0

いつものゴダールです。短くて観やすい。終盤のマッチ棒のシーンが好き。

アメリカン・ジゴロ(1980年製作の映画)

4.0

一つ一つの人物描写が素晴らしく、主人公リチャード・ギアの色気も凄まじいです。シュレイダーの「独り善がりすぎて全員敵に回す」系の男の話はやっぱり好き。

三人の女(1977年製作の映画)

3.0

曖昧で暗喩的なストーリーは二時間観せられたけどほとんど覚えてない。印象に残ったのはリハビリ施設の鬱職場っぷりとシシー・スペイセクの凄まじい演技力。

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.0

殺人鬼と出会って且つ生きて帰りたい人向けなのが『アングスト』なら、ヒモ男と出会って且つ人生棒に振りたくない人向けなのが、本作。
会話劇と言えば聞こえはいいが、三時間以上とにかく聞かされるのは働いたら負
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ラムの大通り(1971年製作の映画)

3.5

映画女優に魅せられた船乗りの話、を軸に縦横無尽にジャンルを横断しまくる、見かけによらずメタっぽくてカオスな怪作。
いろんな要素が入り乱れていますが、個人的にはやっぱり恋する船乗りの切なさが一番ぐっとき
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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

3.0

完成度は高いけど、結局いちばん伝えたいことは何なのか?掴めなかった。

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

4.0

ヘルツォーク×ブルーノS『カスパーハウザーの謎』コンビの2本目。
とても悲劇的なストーリーだけど、ブルーノの明るさだったりハッピーな場面が印象的だったりで、全体的にはわりと穏やかに観られる印象のロード
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

4.5

芸術表現には崇高さ、敬虔さのイメージがつきまとうけど、実際それを生み出すエネルギーは限りなく野蛮なものなのではないか、を問うドラマ。特に映画は、儲けが大前提だったり監督が独裁者に喩えられたり、まさに野>>続きを読む

スノーデン(2016年製作の映画)

4.0

いつものストーン監督。強烈なメッセージを観やすいドラマで伝える。そういう感じと観る前からもう分かっているんだけど、毎回やっぱり最後にはグッときてしまう。

スワンソング(2021年製作の映画)

3.0

とても観やすいロードムービーですが、題材はやはり珍しいと思います。いい話。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.0

お蔵入りになるのは確かに勿体ない綺麗な映画だった。主演チャン・チェンの存在感が子役ながらすごい。

それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜(2007年製作の映画)

4.5

総勢33名の豪華監督陣による「映画館」をテーマにした3分短編集。センスと想像力がむき出しになるシビアな一発勝負、だけどやっぱり一流は一流で、どの作品も見事すぎる出来映えです。最高のアイデア帳を覗かせて>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

難解でも新鮮でもない。母親の家へ向かう男がひどい目に遭う、という概要の通り、というか、そこから想像できる範囲の内々でまったく終わってしまう三時間。
どこを取っても引用的で既視感のある展開ばかりで、しか
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.0

ニコケイがニコケイを演じるメタなストーリーだけど、ガチっぽいひねくれ感とかはなく何も考えずに観れる、とにかくニコケイ愛にあふれた王道B級コメディ。
歴代ニコケイ映画の小ネタ満載なのは伝わってくるけど、
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殺人者はライフルを持っている!(1968年製作の映画)

4.0

引退を決意したホラー俳優と無差別に銃殺を繰り返す青年、その運命の交錯を描いた怪作スリラー。
ニューシネマっぽい無差別銃撃のパートが凄まじい。グラセフを地でいくみたいな無軌道ぶりで、ドライブインで繰り広
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プリンス/グラフィティ・ブリッジ(1990年製作の映画)

4.0

サントラだけは以前から聴いてて、問答無用の名盤。通らないわけにいかないよなーくらいの気持ちで観たのですが、これは結構、好きかもしれない。
王道風味でしっかりした本筋に、らしさ全開のメッセージ性がこれで
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憂国(1966年製作の映画)

3.5

類稀な才能の持ち主で誰もが認める大文豪になった人が、晩年になって臓器の飛び出るエログロ映画を作る。さらには同じことを現実で実行して、クーデターと割腹で生涯を終えた。
思想うんぬんというより、いきなりブ
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.5

過去と現在、現実と架空を行き来してその境界を問う、みたいな…たぶんそういう話。かっこいい映画とは思う。
あらすじの文章は何だかとてもエモーショナルなのにその実はまるで共感を拒むような内容。その拒みっぷ
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恐怖(1961年製作の映画)

3.5

オープニングから雰囲気がめちゃくちゃいい。中盤〜後半の展開も好きだけど、やっぱり前半の怪奇テイストが最高。

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

3.5

ストーリーが入り組んでいるからか全体的に淡々と物語を追っていた印象、ですがラストシーン等やはり強烈な場面がいくつかあって面白いです。
個人的には『拳銃魔』のが好き。

奇人たちの晩餐会(1998年製作の映画)

3.5

富裕層の面々による、それぞれ見つけた選りすぐりのバカを招待し、当人たちには内緒で「バカの王者」を決める晩餐会の話。
ものすごい設定ですが、その強烈さ、またコメディならではのドタバタも湿っぽさも全部、と
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ブルー・カラー/怒りのはみだし労働者ども(1978年製作の映画)

3.5

ポール・シュレイダー初監督作。さすがの人間描写で、展開も巧み。しかし他作と比べると狂気が足りずちょっと地味です。タイトルに引っ掛けた殺害シーンは見応えありますが、全体的なビジュアルはやはり地味め。

アレックス(2002年製作の映画)

3.5

見事な世界観。物語の流れが断片的になることでシーンごとの空気感がかえって際立ち、激しい感情だけが次々襲ってくるような、まさに悪夢のような体験。筋をいかに分かりやすくするか工夫していた印象のある『メメン>>続きを読む

AKIRA 4Kリマスター版(1988年製作の映画)

3.5

アニメーションの良し悪しとかあんまり分からないけど、めっちゃ凄いというのは感じる。サブカルの定番みたいなイメージだから身構えたけど、ストーリーは思ったよりかなり王道路線な印象だった。

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

4.0

劣等感と他人への憧れから、マイケルジャクソンを演じるモノマネ芸人として生きる青年の話。
ガンモとかと比べると、人が変わったようにナイーブで繊細なドラマ。8年ぶりの監督作だったらしく、その後もコリン監督
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

まさかの大作、そして名作。
テンション高めの映像センスは相変わらずキレッキレですが、内容が、今回たまたまそういう企画だっただけかもしれないけど、あの『ロブスター』の人とは思えない超王道冒険ストーリーで
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太陽(2005年製作の映画)

3.0

日本人には絶対作れない映画。
神様だった天皇陛下が「人間宣言」をするまでの話。演じるのがあのイッセー尾形、要所にコメディ調のシーンがあり、米軍人の「チャップリンに似てるな」という直接的な凄い台詞で、作
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

3.5

満島ひかりはすごい。
やってることは紀子の食卓とかとほとんど同じで、ふーんって感じで観てたら最後の最後の満島ひかりに全部もっていかれた。
現代日本の家庭、宗教にまつわる園監督の人生観は、三時間半くらい
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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(2021年製作の映画)

3.5

若い表現者は自身のユニークさを社会と対決させることになるけど、資本を獲得して器用になってくると、普遍性を体得し、そこにどれだけユニークを残せるか、の対決になってくる。アマからプロへ、洗練されつつも凡庸>>続きを読む

シン・シティ(2005年製作の映画)

3.5

実写アニメというか、コミックそのままの映像美がカッコよすぎ。キャスティングも完璧で、特にミッキー・ロークの漫画から出てきたみたいなタフガイぶりが強烈。ストーリーは観易めです。

ショーガール(1995年製作の映画)

4.5

普通に面白かった。
超王道の漫画みたいな成長物語。これをスポーツとかで見せられると引いちゃうけど、これくらい狂ってくれると丁度よく観れる、という人は絶対一定数いる。
とはいえ、本筋含めてどのエピソード
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

アニメだからこその容赦のなさ。時間軸の壊れっぷりがカッコいい。

ダークグラス(2021年製作の映画)

4.0

良い映画には必ずしも優秀なストーリーが必要というわけじゃないことが改めて分かる傑作。そういうガタガタ感さえ味に変えてしまう圧巻の映像センス。85分でここまで引き込めるのは一つの完成形だと思う。

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