確かに映像は凄まじく綺麗で、海のシーンはまるで現実世界と変わらない。しかし、現実と同じものをCGで作る必要がどこにあるのか?見た事が無いものを想像力とテクノロジーで見せてくれるのがCGやアニメーション>>続きを読む
間違いなくブライアン・デ・パルマ監督の最高傑作。
デパルマの好きな所は「映画は作りものである」と割り切った上でそれをいかに魅力的に見せることに全力を傾けている事だ。(加減を知らず盛大に失敗する事もあ>>続きを読む
「ダークソウル」「エルデンリング」に出てきそうなキモいクリーチャーが沢山出てきて楽しかった(小並)
ストーリーはあって無いようなもの(というか理解させる気も無い)なので世界観に入り込めるかが全てでは>>続きを読む
ラスト付近の演劇場でのシーンをやりたかっただけなのかと思うほどヒロインの上海から来たという設定がほとんど活用されていないのはご愛嬌。
ウェルズらしい観客の感覚を惑わせる有名なラストのクレイジーハウス>>続きを読む
この世には2種類の人間がいる。「インランドエンパイア」を見てブチ切れる人間と喜ぶ人間。どう考えても前者の方が正常な人間だが、私は異常者なので★4.3をつけた。リンチの作品は難解だと言われ続けているが、>>続きを読む
平凡な50年代風のアメリカ郊外の生活とその裏にある闇や腐敗を描くという点で、「ツインピークス」などにも繋がるリンチの作家性を確立した作品だろう。
しかし、今見るとデニスホッパーの強烈なキャラクターや>>続きを読む
「バーフバリ」は公開時に見て、評判の高さの割に特に印象に残るものが無かった(今見ると違うかもだけど)。
で、ラージャマウリ監督は2作目となる本作を見て思った。「これ、往年のジョンウー映画ぢゃん...>>続きを読む
ディープフォーカスにより全てにピントが合った今作は、その撮影法に報いた画面上の正確な構図とディティールの緻密さにまず感嘆する。前景や後景に映る人や小道具に目を凝らすだけでも飽きないし、特徴的な横移動に>>続きを読む
愛、裏切り、笑い、謎、恐怖、希望、失望、犯罪、夢...
この映画には全てがある。ないのは秩序(直線的なストーリー)だけだ。
だが、結局のところ映画(そして人生)とはこれら要素の選択と組み合わせでしかな>>続きを読む
確かに素早いカットの切り替わりによるドラッグ吸引シーンやクローズアップの多用はスタイリッシュだ。しかし毎回毎回繰り返されると「もう分かったから・・・」とウンザリしてくるのだ。ドラッグ摂取が習慣化してい>>続きを読む
まあ、クエンティンタランティーノがやりたいというのは分かる。が、全く成功していない。タランティーノの「お喋り」は映画やローカルなネタがベースにあるが、今作で引用されるのは精々なぜか「機関車トーマス」。>>続きを読む
これとほぼ同時期に公開されていたのが「ファイトクラブ」と「マトリックス」だが、3本とも(巨大資本によるプロダクトに飼い慣らされた)快適だが味気ない世界vs荒々しく混乱した世界のニ項対立を描いていたのは>>続きを読む
冒頭、借金が返せない罪で収監された主人公は休暇をもらい、まずペルシャの王クセルクセスの墓へ向かう。そこでは大規模な墓の補修工事が行われており、作品のテーマとなる一つの事実を伝えている。「英雄」とはその>>続きを読む
ほぼ同時期に公開された「シャイニング」と同じように、広い家で昔起こった凄惨な事件によって住民が恐怖体験をするという話だが、「シャイニング」と比較して今作はより70年代の伝統的なホラーの最後の作品と言っ>>続きを読む
「プライベートライアン」や「宇宙戦争」をすでに見ているため、戦争描写や群衆描写はそれらにだいぶ見劣りするが、そもそもこの映画を単に戦争映画として捉えると誤解が生まれるように思う。むしろ、そのようなシビ>>続きを読む
公開当時あまりの衝撃に2回(3回かも)劇場に見に行った映画。改めて見ても特に冒頭シーンはカメラとオブジェクトの動きという点で公開から約10年経つが未だに革新的だ。無重力という設定を活かした横軸と縦軸の>>続きを読む
「イレイザーヘッド」の頃のデビッドリンチをカートゥーンアニメ風にしたらこうなるかもしれない。
超クローズアップからのズームや実写とストップモーションを配合した撮影、マスターショット(シーンの最初に登>>続きを読む
「その時彼女との距離は0.1ミリ。その76時間後、僕は彼女に恋をした。」
このモノローグから映画は始まる。本作(と次作「天使の涙」)を見事に要約したセリフである。
中国返還前の香港は、この映画では様>>続きを読む
もし自分がオーバールックホテルの管理を任されたとして、怪奇現象が無くてもかなり怖いだろうと思うのは、あまりに広すぎて住んでいるところの全体像が把握しづらい、つまり奇妙なことが起こっていると考える余地が>>続きを読む
「クラッシュ」のレビューでこれは私達を取り巻く(そしてそこから逃れられない)性や資本への欲望についての映画だと書いた。そして本作もその発展系と言える。しかし、「クラッシュ」から約10年たち、その欲望に>>続きを読む
階級化された軍隊の非人間性をキューブリックお得意のアイロニーではなく、ヒューマニズムによって表した作品。
悪い作品ではないのだが、絵画的で綿密かつドライな印象の撮影と作品の人間的メッセージの噛み合わ>>続きを読む
オープニングクレジットで約10分かけ、4月21日になったアントニオベイの異変(車のクラクションが勝手に鳴り、ガラスが一人でに割れる)をじっくり見せる。非常に贅沢な時間の使い方だ。
「ハロウィン」や「>>続きを読む
まず、クーパーホフマンについて言及すべきだろう。自信満々で、だが実は無知な小心者で結局のところセックスのことしか考えていない愛すべきクソガキ感が最高に可愛らしくそれを見ているだけで幸せな気分になる。>>続きを読む
「ドアの外で思ったんだ/あと10年たったら/なんでもできそうな気がするって/でもやっぱりそんなのウソさ/やっぱり何も出来ないよ/僕はいつまでも何も出来ないだろう(FISHMANS"In the fli>>続きを読む
「回路」(黒沢清、2001年)ではインターネットを孤独な魂が彷徨う煉獄のような空間として描いたが、その3年前に公開された本作では現実世界とは同じようで異なるインターネット空間が私たちの現実認識にどのよ>>続きを読む
アフガニスタンの少年アミンが難民となりロシア→デンマークと移った記憶を語ったインタビューを元にしたアニメーション映画。
描画枚数を減らしたアニメーションの動きは、語り口の具体的かつ私的なディティールと>>続きを読む
例えば、ニールヤングの「アフターザゴールドラッシュ」やスライの「暴動」といった70年代前半のアメリカ音楽(ニールはカナダだが)に感じる、ヒッピーの時代が終わった後の虚脱感、絶望、過去への未練といった感>>続きを読む
とにかく映像が余りに美しすぎる。一部70mmカメラで撮られた本作はもちろん監督の構図へのこだわりもあるだろうが、強烈なライティングと陰影は明確な時代設定があるにも関わらずどこが現実感を喪失させる。>>続きを読む
前2作の拡散的群像劇から単一主人公を中心としたストーリーテリングを採用したという意味では、以降のPTA作品の転換点と言える。ただし、リアリティやテーマという意味では以前の作品を引きずっている部分も多く>>続きを読む
スターとしてではなく、役者としてのトムクルーズとしてはベストパフォーマンスではないか。女性を手に入れるための自己啓発セミナー(恋愛工学?)の教祖という意味の分からない役柄だが、自分のマチズムを誇張しつ>>続きを読む
スコセッシ(面白いシーンだけ「グッドフェローズ」的に繋ぐ、ラストの「レイジングブル」の参照)、タランティーノ(キャラ造形)、デパルマ(これはロドリゲス役の人が似たような役割で出ていたから「カリートの道>>続きを読む
女性教師のプライベートなセックスビデオ流出という事件から、公と私の境界、SNSの議論不可能性、ルーマニアの差別・歴史・宗教・格差、資本主義により広告などポルノ化された社会、そしてコロナ禍を的確に織り込>>続きを読む
この映画の功労者はトムクルーズだ。しかし、それは彼の俳優としてのパフォーマンスではなく、「待った」事だろう。トップガンの続編に取り掛かるのを30年待った事だ。
冒頭から言うまでもなく、前作まんまのオ>>続きを読む
マジックアワーに撮影された美しい映像、自分も乗っていると錯覚するような機内にカメラを置きスピーディーに編集されたドッグファイトシーン(ただし何が起こっているかは正直分かりづらい)はGood。
これら映>>続きを読む